Goulee AOC Medoc, Rouge/グレ(メドック) 赤 2011
*ワイン名:グレ
*原産国/地方:フランス/ボルドー地方
*原産地呼称:AOC メドック
*ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン80%,
メルロー20%
*栽培面積:28ヘクタール
*平均樹齢:25年
*生産者:シャトー・コス・デストゥルネル
*コメント
 2010ヴィンテージは,降雨量が少なく,夜は涼しかったため北メドックらしいワインとなった。ブドウの成長と開花は遅れたが,メルローは例年のグレに使用する大きさまで成長した。昼夜の温度差により,アントシアニンが十分に発達した。収穫は9月29〜30日にメルローから始まり,カベルネ・ソーヴィニョンは10月11〜15日に行われた。
 河口と大西洋の間というグレの地理的な位置が,果実味豊かな典型的なグレの特徴を決定付けている。現在,グレは3つの区画を持ち,栽培面積は28ヘクタール。ブドウの平均樹齢は25年。
 “グレ”とはメドック北部にある港町の名前。ワインは「オー・ブリオン」のような独特の形状のボトルに詰められている。世界に新しいメドックのスタイルをアピールしようというコス・デストゥルネルの支配人,ブリュノ・プラッツ氏の思い入れが感じられるプレゼンテーション。

*評価
『ワイン・アドヴォケイト205号/2013年2月号』に掲載のコメント
 2010“グレ”★90/100点
80%カベルネ・ソーヴィニョン,20%メルローのアッサンブラージュ。ルビー,パープル色で,湿った土やホワイトチョコレート,甘いクロスグリ,スパイスのノート。丸みがありフル・ボディーのワインで甘美。アルコール度数は14.7%。早い内から楽しめるが,10年もしくはそれ以上寝かせても良いだろう。

『ワイン・アドヴォケイト181号/2009年2月号』に掲載のコメント
 2006“グレ”★87/100点
グレは5-6年以内に飲まれることを目的とした非常に良くできたメドックだ。2006年はチョコレートやベリー系の果物の魅力的な香りがあり,ベースの土のニュアンスと混じり合っている。閉じたタンニンがやや厳しさを与えているが,素晴らしい深みと成熟度,そして風味豊かなテクスチャーを兼ね備えている。  

『ワイン・スペクテーター/2013年』に掲載のコメント
 2010“グレ”★89/100点
ダーク・プラム,スグリ,ブラックチェリーがコアにあり,黒鉛を感じる非常に力強いワイン。フィニッシュはアニスやスミレのノートが広がり余韻が続く。今から2019年までが飲み頃。

『インターナショナル・ワイン・セラー/2013年7-8月号』に掲載のコメント
 2010“グレ”★90/100点
全体的に明るく,ダーク・レッド,ルビーのハイライト。ダーク・ラズベリー,スモークした肉,ブラックオリーヴ,土の香り。口中は豪華で広がりを見せ,ラズベリーやブブラックチェリーやブラックオリーヴのスモーキーな香りが印象的。サン=テステフが北ローヌのシラーと出会ったよう。フィニッシュは熟れたタンニンが舌に感じられしっかりとしており,非常に粘性がある。コストパフォーマンスが良い。

『インターナショナル・ワイン・セラー/2007年5-6月号』に掲載のコメント
 2006“グレ”★86-88/100点
比率が80%と異常に高いカベルネ・ソーヴィニヨンをベースとしている。明るいルビー・レッド。レッド・フルーツや甘草,スパイス,焚き火の香り。そして微かに感じる雑草のノート。しなやかだが,ブラック・フルーツやブラック・チョコレート,皮,ハーブなどの控えめな甘さとともにがっちりしている。はっきりとしたモダンなスタイルのフレッシュなワイン。しっかりとした酸と豊かなタンニンがストラクチャーのベースに存在する。  

『ベタンヌ&ドゥソーヴ『ル・グラン・ギド・デ・ヴァン・ド・フランス/2014年版』に掲載のコメント
グレは,メドックの北にある無名なブドウ畑を,グラン・クリュと同等にするという目的で造られた。テロワールをしんじた甲斐があり,ワインは活力のある生き生きとしたものになった。気品溢れるブーケと複雑さがある。ドメーヌでは白ワインも造っている。  
 2010“グレ”★15/20点
心地よい程にフルーツの香りがし,ドメーヌが方向転換したことが良く分かる。力強さを抑えてより口当たりが良いワインとなっている。ビロードのようなでこなれたフレッシュなワイン。ためらわずに飲める魅力的なメドック。