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『ワイン・サーチャー』インタヴュー記事（2013年5月29日）
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『ワイン・サーチャー』（以下WS）：育った場所は、どこですか？
ジャン＝クロード・ベルエ（以下JCB）：
・・・ボルドーです。ボルドーの人々と、よくバスクに旅行に行きました。
WS：どこで学びましたか？
JCB：ボルドー大学の理学部です。
WS：偉大なワインを造る方法は？
JCB：第一に品種に適した土壌、気候などの様々な要因が組み合わさって、醸造家に可能な限り、ブドウのポテンシャルを表現させてくれるのです。
WS：あなたがワインを造り始めた1964年以降、ポムロールのスタイルはどのように変遷を遂げてきたと考えますか？
JCB：ワインはよりパワフルで骨格のあるタンニンを持ち、アルコール度数は急に上りました。畑での人の介入は著しくもありますが、果実のサイズコントロールは良くなり、選定方法は伝統的な方法に回帰して、除葉、グリーン・ハーヴェストで熟成を推し進めています。また、新樽の導入は、とても重要です。
WS：この40年余りでボルドーの気候変化に気付いたことはありますか？
JCB：はい。特に1989VTからです。最高気温も最低気温も上がり、雨と暑さが頻繁に交互にやってくる異常気象に悩まされました。ワインのアルコール度数は上がり、酸は以前に比べ低くなりました。今はよりパワフルなワインになってきています。
WS：気候変化の結果、ブドウ栽培と醸造方法を変更しましたか？
JCB：もし猛暑日が続いたとしても、夏の間はブドウの生長に介入すべきではないでしょう。また、過熟果も摘んではいけません。ワイン造りの計画において、その年々で調整や変更すべきことは、抽出と新樽の使用です。
WS：ポムロールの変化について、お聞かせ下さい。
JCB：ブドウ栽培はより正確になり、生産コントロールが良くなりました。小規模なドメーヌや栽培家は、徐々に廃業しています。
WS：あなたの醸造家としてのキャリアに、最も大きな影響を与えた人物は？
JCB：私の師である、エミール・ペイノー先生です。彼はボルドーの偉大な醸造学者でした。私はムエックス社で彼の責任を負っていました。もう一人の師は、ガヤックのJ.H. デュベルネ氏です。
WS：ワイン産業で得た最高の経験は？
JCB：私はワイン産業では、いかなる経験もしていません。私のクラフト（＝手作業）は産業に逆行しています。醸造時の温度コントロールや機械選果などのように、人の作業を楽にするものとは真逆です。
WS：もしも、今あなたが若手の醸造家であったなら、世界のどこへワインを造りに行きたいですか？
JCB：もちろんボルドーですが、よりグローバルなワインの文化を理解するためにも、すべてのワイン生産国を旅したい。
WS：パーカーについて、また、彼の100点満点で表す採点法はどう思いますか？
JCB：私は1983年、彼のデビュー当時から、彼独自の採点方法を知っていました。とりわけ彼はワインのグローバル・メディアで名を馳せました。この現象で、私たちの分野で多くの競争が起こりました。
WS：パーカーは、あなたの醸造スタイルに影響を与えましたか？
JCB：彼は明らかに影響力があります。パーカーは色調が濃く、凝縮したリッチでパワフルなワインが好みです。
WS：あなたは“メルローのマスター（達人”として知られています。その波及効果、大衆文化のワイン飲酒への影響について、どう思いますか？
JCB：すべてのメディア活動が顧客に影響を与える社会に、私たちはいます。しかし、その影響は一時的なものに過ぎません。商品の成功を常に保証する良いマーケティングだという研究結果も出ています。
WS香港で1990VTのペトリュスが、94,000ドル以上（ケース）で販売されました。あなたのワインの価格が高騰するのを、どのように見ていますか？
JCB：投機は市場が作り出すもの。醸造家を困惑させます。プリムール（先物買い）のペトリュスが、ボルドー・ワインの最高額ではありません。
WS：ひそかに止められない楽しみとなっているワインはありますか？
JCB：私はブルゴーニュの偉大な白が好きです。
WS：あなたは誌の愛好家でもありますね。ワインに対する思いを綴っていただけますか？
JCB：ワインは、愛と喜びと、そして友情をつなぐ。
WS：あなたにとって、最上の幸せは？
JCB：友達と食卓を囲み、素晴らしい料理と素晴らしいワインを分かち合うこと。そしてワインがあなたに幸せを与えること。
WS：この世界をより良くするものは,何だと考えますか？
JCB：自然が本来のあるべき姿に戻る時、人間は食べるものを自由に選べ、健康と喜びのためにワインを飲めるようになるだろう。
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