HOME >> 生産者情報 >> ヴィニョーブル・カロー・セレクション(フランス/ボルドー地方) 
↓ INDEX ↓
ヴィニョーブル・カロー・セレクションの歴史
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現当主ニコラ・カロー
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現当主セバスチャン・
カロー
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ミシェル・ローランに
教わりヴィニョーブル・
カロー・セレクションに
受け継がれた技術と経験
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シャトー・クレラックと
シャトー・ル・カップ
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各キュヴェの詳細
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 ボルドーのガロンヌ川右岸のカール地区Carsに位置するヴィニョーブル・カロー・セレクションは、1832年の創設以来、7世代、約200年に及ぶ歴史あるヴィニョーブルだ。1832年といえば、サンテミリオン1級A格付けのシャトー・シュヴァル・ブランの起源の年でもある。しかし、ボルドーではイギリスやアメリカなど外国資本あるいは大手企業が経営を掌握しているシャトーが多く、シュヴァル・ブランもその例外ではない。そんな中にあってヴィニョーブル・カロー・セレクションは、ボルドーでは非常に珍しいカロー家による、昔ながらで伝統的な家族経営のヴィニョーブルだ。
 ヴィニョーブルは合計で8つのシャトーと、82ヘクタールにも及ぶAOCブライ・コート・ド・ボルドーBlaye Cotes de Bordeauxを所有。年産生産量は550,000本以上で、多彩な赤、白、ロゼを生産。
 ヴィニョーブルでのブドウ栽培は、自然の環境を最大限尊重しながら行われる。ブドウ畑全体で取り組まれている草生栽培(→)もその一環だ。ブドウ樹の列と列の間だけでなく、ブドウ畑の周囲にも自然のままの草が茂っていて、多様な生物のための棲み処となっている。こうした環境のおかげで自然のサイクルが促され、外からの人工物を必要としない自然の保護バリアとして機能している。
 また、ヴィニョーブルでのブドウ栽培は、テラ・ヴィティスTerra Vitis(自然と人、そしてワインを尊重するフランスのブドウ栽培者からなる団体の名称)による厳格なスコープ・ステートメントに則っていて、認証も取得している。フランス政府公認の環境認証である「HVE(Haute Valeur Environnemental)」(環境価値重視)も取得。更に、ボルドーワイン委員会CIVBの集団運動である「SME(Systeme de management Environnemental)」(環境管理システム)の運営もしている。その他、2005年以来、ヴィニョーブルはボルドー両岸のCUMA(農業機械共同利用のための協同組合)のメンバーであり、ヴィニョーブルのブドウ栽培やワイン醸造で出る排水を収集、処理するなど、SDGsのように環境に配慮した持続可能なブドウ栽培を心掛けている。
 

◆ヴィニョーブル・カロー・セレクションの歴史◆

 1832年、もともと樽職人であったアントワーヌ・カローAntoine Carreau(→)は、ナポレオン艦隊の司令官の一人が所有していたシャトー・レスカードルの18ヘクタールの畑を購入。ヴィニョーブル・カロー・セレクションの初代当主となった。

 1867年、ヴィニョーブルはフィロキセラ禍に見舞われる。二代目フランソワ・カローFrancois Carreau(←)は、アメリカ原産のブドウを台木にしてブドウ畑を再開した、ジロンドにおける最初の開拓者の一人。1894年にはジロンド農業協会la Societe d’Agriculture de la Girondeからメダルが贈られていて、そのメダルはシャトー・レスカードルChateau L’Escadreのワインラベルの紋章になっている。

 1901年、エルネスト・カローErnest Carreau(→)がヴィニョーブルを継ぎ、シャトー・ラ・クロワ・サン・ピエールChateau La Croix Saint-Pierre(12ヘクタール)の区画を購入。

 第一次世界大戦(1914〜18年)での兵役後、1928年、ポール・カローPaul Carreau(←)がヴィニョーブルを継ぐ。カロー家で初めてシャトー元詰めを始める。

 1969年、アンリエット・メイナールHenriette Meynardと結婚後、ジョルジュ・カローGeorges Carreau(→)はシャトー・レ・プティ・アルノーChateau Les Petits Arnaudの13ヘクタールを購入。フランスにおける個人客への売却に力を注ぐ。1972年にはル・シャトー・クレラックLe Chateau Clairacの11ヘクタールを購入。農事功労賞を受賞。

 1991年、ジャン・マリ・カローJean-Marie Carreau(←)がヴィニョーブルの当主に。高級キュヴェの開発に取り組み、初めて輸出も開始。ヴィニョーブルのワインは現在、主にフランス、北欧、北米、中国、台湾、日本、そしてシンガポールに輸出されている。地域社会での活動と自分の仕事の両方に積極的に身を投じ、1997年から2010年までの13年間、ブライ・コート・ド・ボルドーのボルドーワイン騎士団の総長を務めた。

 2010年、セバスチャン(→ 写真、右)とニコラ・カロー(→ 左)Sebastien et Nicolas Carreauがヴィニョーブルを継承。2015年にはヴィニョーブル・サブランVignobles Sabourinの27ヘクタールを購入。セバスチャンと二コラはいとこ同士で現当主だ。自分たちの知識を深め、革新的なキュヴェを造り、新たな顧客を開拓している。


◆現当主ニコラ・カロー◆


 二コラ・カローは現在40歳(2021年4月時点)。学生時代には農学を専攻し、農業工学の学位を取得。ブドウ畑と土壌の専門家だ。卒業後、二コラは先ずスペインに渡り、5世代150年以上も続く家族経営の名門ワイナリーであるトーレスTorresで働いた。トーレスは、イギリスのドリンクス・インターナショナル誌による「世界で最も称賛されるワインブランド2021」(写真→)で世界ナンバー1に選出されているワイナリーだ。ちなみに同ランキングでのボルドートップシャトーの順位は、シャトー・ラフィット・ロートシルトが12位、シャトー・マルゴーが31位、シャトー・オー・ブリオンが33位、そしてシャトー・ムートン・ロートシルトが35位だ。
 次いで二コラは、サンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセに格付けされているシャトー・フォンブロージュChateau Fombraugeで醸造を担当する。シャトー・フォンブロージュの当主はベルナール・マグレ氏Bernard Magrezで、シャトーの歴史は1679年にまで遡る。シャトーが造るワインの60%以上がWAで90点台の高評価を獲得している。
 ヴィニョーブル・カロー・セレクションでは二コラはブドウ樹と土壌の世話を担当し、常に最高のブドウができるようにしている。ドメーヌが獲得したHVEやTerra Vitisなどの認証が、ドメーヌがいかに自然を大切にしているかを証明している。また、ドメーヌは2020年からシャトー・ル・カップChateau Le Capでビオ農法を採用。持続可能な農業を心掛けている。


◆現当主セバスチャン・カロー◆

 セバスチャン・カローは現在46歳(2021年4月時点)。ボルドーの学校でブドウ栽培とワイン醸造について学び、発酵と醸造を専門とする。就学後、先ず、ボルドーの銘醸地であるペサック・レオニャンPessac Leognanに位置するシャトー・ラ・ルヴィエールChateau La Louviereで働いた。シャトー・ラ・ルヴィエールは故アンドレ・リュルトンAndre Lurtonが1965年に購入し、アンドレ・リュルトンが社長であったヴィニョーブル・アンドレ・リュルトンが所有するシャトーだ。ヴィニョーブル・アンドレ・リュルトンは複数のシャトーを所有し、その総面積は630ヘクタールにも及ぶ。そのうちの264ヘクタールはAOCペサック・レオニャンだが、1987年のこのAOCの生みの親こそ、アンドレ・リュルトンだ。
 続いてセバスチャンはスペインに渡り、スペイン北西部カスティーリャ・イ・レオン州のワイン生産地であるトロで、「ボデガ・カンポ・エリセオBodegas Campo Eliseo」というプロジェクトに参加。これは、アンドレ・リュルトンの長男フランソワ・リュルトンと、その弟ジャック・リュルトン、そして世界中に何百人ものクライアントを持つ醸造コンサルタントであるミシェル・ローランが共同で行ったプロジェクトだ。セバスチャンはこのプロジェクトで、カンポ・エリセオ初ヴィンテージ(2001)の醸造を担当。そのカンポ・エリセオ2001年物はワイン・アドヴォケイトでは92点を、そしてワイン・スペクテーターでは93点を獲得している。カンポ・エリセオはワイン・アドヴォケイト、ワイン・スペクテーター、そしてヴィノスでも高評価を得ているが、その基礎を築いた醸造家こそ、セバスチャン・カローであると言っても過言ではないだろう。ヴィニョーブル・カロー・セレクションでは、ミシェル・ローランやリュルトン家から受け継がれた技術が注がれたワインが造られているのだ。
 また、セバスチャンは、アルゼンチン北部に位置し、ミシェル・ローランとエチャート家Etchartが所有するワイナリーであるヤコチューヤYacochuyaでもワイン造りに参加した経験を持つ。ヤコチューヤではマルベックの醸造を担当。セバスチャンはマルベックを重要視しており、ヴィニョーブル・カロー・セレクションでのワイン造りにおけるマルベックのアッサンブラージュの割合は、次第に増えている。


◆ミシェル・ローランに教わり
ヴィニョーブル・カロー・セレクションに
受け継がれた技術と経験 ◆

 国内外、複数のドメーヌやワイナリーで発酵・醸造に携わってきたおかげで、セバスチャン・カローは様々な技術や作業方法を実際に体験し、身に着けることができた。なかでもミシェル・ローランに教わったこと、そして共同プロジェクトをしたことは特に貴重だと、セバスチャンは言う。セバスチャンによれば、ミシェル・ローランから学び、受け継ぎ、ヴィニョーブル・カロー・セレクションでも採用している技術は複数あるという。
 先ず、ヴィニョーブルではブドウを過熟させる。そのためヴィニョーブルでの収穫期は、ヴィニョーブルが位置する地域でもしばしば最も遅い。ブドウを過熟させることで、果皮に含まれる色、タンニン、そしてアントシアンを上手く抽出できるようになるだけでなく、ブドウの種子もローストされたように色が濃くなり、タンニンを多く含むようになるのだ。こうして、ワインにストラクチャーと、わずかにローストしたような赤果実のアロマがアクセントとしてもたらされるのだ。
 次に、ヴィニョーブルでは低温でアルコール発酵を行う。温度を低めにすることでアルコール発酵はゆっくり行われ、果実にとってストレスもなくなり、結果的に果実のアロマがよりよくなるなど、果実の持つあらゆる可能性が最大限引き出されるのだ。アルコール発酵は最大でも28℃で、それ以上にすることはない。最大で28℃というのは、セバスチャンがミシェル・ローランのもとで学び、最終的に自分で判断した最大温度だ。ミシェル・ローランは、「アルコール発酵の温度が30度を越えてしまうと、果実のアロマが破壊されてしまう」と、しばしばセバスチャンに言っていたという。
 続いて、ヴィニョーブルでは換気をせず果汁のルモンタージュを行う。換気をするとアロマの分子が破壊されてしまい、ブドウの果実味が失われてしまうのだ。
 また、ヴィニョーブルではマイクロオクシジェネーションも行う。これにより、ワインに粘性と、豊富な味や香りが与えられるのだ。
 こうして、セバスチャンがミシェル・ローランから学び、受け継いだ技術は脈々とヴィニョーブル・カロー・セレクションに受け継がれている。しかし、新しい技術を取り込んでいるとはいえ、ヴィニョーブルではボルドーやカロー家に伝わる伝統も大切にしている。実際、ボルドーのほとんどのシャトーで行われているように、伝統的な方法に則り、ワインをステンレスタンクや樽で熟成させている。伝統と新しい技術を組み合わせることで造られるのが、ヴィニョーブル・カロー・セレクションのワインだ。


◆シャトー・クレラックとシャトー・ル・カップ ◆

 19世紀に建てられたシャトー・クレラックは、現当主セバスチャン・カローの祖父ジョルジュ・カローが1973年に購入したシャトー。現在はセバスチャンのいとこであり共同経営者でもある二コラ・カローが住まいとしている。11ヘクタールの畑には、赤ワイン用の品種(カベルネ・ソーヴィニョンが2.2ヘクタール、メルローが8.8ヘクタール)が植えられている。

  シャトー・ル・カップは、セバスチャンとニコラが2015年に共同購入したシャトー。10ヘクタールの畑には、(カベルネ・ソーヴィニョンが1ヘクタール、メルローが9ヘクタール)植えられている。シャトーの名前は旅と発見とを連想させる。(南アフリカ共和国南西端にある同国第2の都市「ケープタウン」はフランス語ではle Capであり、周航により発見されたケープ半島に位置する「喜望峰」はフランス語でCap de Bonne-Esperanceという。)粘土石灰岩のテロワールは、メルローとマルベック、そしてカベルネの品種にとって理想的な環境であり、上質でエレガントなワインとなる。

◆各キュヴェの詳細◆
Chateau Clairac Tradition AOC Blaye Cotes de Bordeaux, Rouge, 2018
/シャトー・クレラック・トラディション AOCブライ・コート・ド・ボルドー 赤 2018 ==>> 詳細はこちら
Chateau Le Cap Tradition AOC Blaye Cotes de Bordeaux, Rouge, 2018
/シャトー・ル・カップ・トラディション AOCブライ・コート・ド・ボルドー 赤 2018 ==>> 詳細はこちら

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