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数多のワイン愛好家が訪れるヴォーヌ・ロマネ村。その隣にひっそりと佇むフラジェ=エシェゾー村は国道の東に集落があるため、本拠を構えるドメーヌは極めて少ない。しかし、エマニュエル・ルジェ、ブリューノ・デゾネイ・ビセイなど名うてのヴィニュロンばかりが軒を連ねている。そのフラジェ=エシェゾー村で5世代にわたり続くドメーヌがある。それが、ドメーヌ・コカール=ロワゾン=フルーロだ。ロワゾン家とコカール家の結婚によって誕生したこのドメーヌは総栽培面積9haあまりと小規模ながら、ジュヴレィ・シャンベルタン村からヴォーヌ・ロマネ村にかけて、実に6つもの特級畑を所有している。
ところが、ドメーヌのワインは古くからヨーロッパの個人客に直売されていたため、今まで大口の輸出市場には殆ど出回ることがなかった。グラン・ゼシェゾー、エシェゾー、クロ・ド・ヴージョ、クロ・サン・ドゥニ、クロ・ド・ラ・ロッシュ、シャルム・シャンベルタン・・・造られるワインのラインナップから考えれば、まさしくフラジェ=エシェゾー村の隠された秘宝ドメーヌである。フランスの3大評価誌の1つ、『デュセール・ジェルベ 2015年版』において、最高の5クール(=ハート:Prix d'honneur 栄誉賞)を獲得している。これは、グラン・クリュ最高峰の1つ、クロ・デ・ランブレー、モレィ・サン・ドゥニでデュジャックと双璧をなすモン=リュイゾンと完全同格の《プルミエ・グラン・ヴァン・クラッセ》に格付けだ。しかも、ルロワやデュジャック、メオ・カミュゼの隣に樹齢70年超の畑を所有、ドミニク・ローランにはエシェゾー、グラン・ゼシェゾーの一部を供給しているというから驚きだ。
アラン・ユドロ=ノエラで働いていた女性当主、クレール・フルーロが手がけるワインのスタイルは、伝統とモダンが融合したもの。長年、個人客に販売しているため、良心的な価格であるのも大きな魅力だ。
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ドメーヌ・コカール=ロワゾン=フルーロは、モレィ・サン・ドゥニ村のコカール Coquard家とフラジェ=エシェゾー村のロワゾン Loison家の結婚によって誕生した5世代続くドメーヌ。1982年のレイモン・コカール Raymon Coquardの引退後、相続による畑の分割を避けるため、レイモンの2人の娘(姉 シルヴィアンヌ・フルーロ Sylviane Fleurotと妹 マリーズ・コラルド Maryse Collardot)がシルヴィアンヌの夫 ジェラール・フルーロ Gerard Fleurotと3人で、ドメーヌを法人組織化。3つの家族の名前を取り、ドメーヌ名をコカール=ロワゾン=フルーロとした。1987年には、フラジェ=エシェゾー村のドメーヌの本拠地に醸造所とセラーを新設。600樽のワインを熟成させることができる最新のセラーに生まれ変わった。
現在ドメーヌは、ボーヌの醸造学校で免除を取得し、ドメーヌ・アラン・ユドロ=ノエラなどで働いていたシルヴィアンヌとジェラールの娘クレールを中心に、彼女の両親であるシルヴィアンヌとジェラール、叔母マリーズ、そしてマリーズの息子 Thomasトマの5人の家族で運営されている。1974年生まれのクレールは、現在フラジェ=エシェゾー村ブドウ栽培組合の会長も務めている。ドメーヌは、20年以上前に発売されたロバート・パーカーの『ブルゴーニュ』において、
・・・ここのワインはまとまりが良く、タニックながら果熟味と芳醇さがある。もっぱら個人顧客とネゴシアンに売られており、大口の輸出市場にはほとんど姿を見せない。
と記述されていたが、現在もこの市場状況は殆ど変わっていない。生産量の約3割が、ドミニク・ローランやルイ・ジャドといったネゴシアンに販売され、残りの7割がドメーヌで元詰めされているからだ。ドメーヌ元詰めワインは、ほぼ全てがヨーロッパの個人客に直売されているため、今までドメーヌのワインはガイド等で取り上げられることがなかった。しかし、人口が日本の約半分のフランスで、毎年80万部を売るベストセラーのワインガイド『ギド・デュセール=ジェルベ』の2010年版においては、コート・ド・ニュイの造り手として、なんとDRCと同じ5つ星の最高ドメーヌに格付けされ、最新の2013年版においても、クロ・デ・ランブレーやフランソワ・ベルトーらとともんみプルミエ・グラン・ヴァン・クラッセに格付けされている。また、ブルゴーニュ・オージョルデュイ誌などにも取り上げられ始めており、今後、ますます注目を集めるドメーヌになることは間違いない。
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ブルゴーニュ(赤)、ジュヴレィ・シャンベルタン、モレィ・サン・ドゥニ、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネ、ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ、シャルム・シャンベルタン、クロ・ド・ラ・ロッシュ、クロ・サン・ドゥニ、クロ・ド・ヴージョ、エシェゾー、グラン・ゼシェゾー
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ドメーヌでは、畑仕事は女性陣が担当し、女性ならではの細やかな配慮と世話でブドウを栽培している。栽培はリュット・レゾネに則って行われ、全ての畑で耕耘も行なっている。収量制限は、主に摘芽とグリーン・ハーヴェストによって厳格に管理し、除葉は行わない方針を取っている。収穫は全て手摘みで行う。醸造は厳格にブドウを選別した後、低温マセレーションを実施。100%除梗の後、オープン・トップのステンレス・タンクで、無補糖で自然酵母のみで発酵。ピジャージュとルモンタージュは1日1回実施。発酵期間は12-15日間。その後、アリエ産のミディアム・ローストのバリックでマロラクティック発酵とシュール・リーの状態で熟成を行なう。グラン・クリュとプルミエ・クリュ、村名ワインは全て新樽比率40%。熟成中の澱引きは1回のみで、18ヶ月の熟成後、アッサンブラージュを行い、無清澄、無濾過で瓶詰め。
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Charmes-Chambertin Grand Cru AOC, Rouge *参考品/シャルム・シャンベルタン 特級 赤
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Morey Saint Denis AOC, Rouge *参考品 |
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Vosne-Romanee AOC, Rouge *参考品 |
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Echezeaux Grand Cru AOC, Rouge *参考品 |
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Clos Vougeot Grand Cru AOC, Rouge *参考品 |
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Clos de la Roche Grand Cru AOC, Rouge *参考品 |
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Clos-Saint-Denis Grand Cru AOC, Rouge *参考品 |
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Chambolle-Musigny AOC, Rouge *参考品 |
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Grands Echezeaux Grand Cru AOC, Rouge *参考品 |
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Vosne-Romanee 1er Cru AOC, Rouge *参考品 |
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Bourgogne AOC, Rouge *参考品 |
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