Chemin du Bois Brut Premier Cru
シュマン・デュ・ボワ“ブリュット”プルミエ・クリュ 白・辛口 2009(旧2Xozドゥ・フォワ・オズ)
*ワイン名:シュマン・デュ・ボワ“ブリュット”
プルミエ・クリュ
*原産国/地方:フランス/シャンパーニュ地方
*原産地呼称:AOC シャンパーニュ
*ブドウ品種:ピノ・ノワール100%
*コメント
 モンターニュ・ド・ランス地区エキュイユ Ecueil村の単一クリマ“シュマン・デュ・ボワ Chemin du Bois”で栽培された2008年収穫のピノ・ノワール100%から造られたブラン・ド・ノワール。通常シャンパーニュの醸造に使われるリキュールは一切用いず,純粋にピノ・ノワールの果汁のみをリキュールの代わりに添加して醸造(つまり,瓶内二次発酵用に添加するリキュール,ドザージュ用のリキュールもすべて同じクリマで2008年に収穫されたピノ・ノワールの果汁)。単一クリマ,単一品種,単一ヴィンテージのみならず,単一の糖分のみで造り上げられた至上最も純粋・純潔なシャンパーニュ。過熟したピノ・ノワールを収穫・醸造することによってかすかな色調を帯びている超マニアック・シャンパーニュ。

 バリック(DRCの樽を手掛けるフランソワ・フレール社製のバリックをはじめ,パーカー5つ星生産者ドメーヌ・コラン・ドレジェのバリックなどの使用済樽100%)で発酵。引き続きシュール・リーの状態で定期的にバトナージュを行いながら,(部分的)マロラクティック発酵と熟成。バリックでの熟成期間は7ヶ月。瓶内熟成期間は60ヶ月(ボトリング:2009年4月)。ドザージュは1リットルあたり6グラム。現行ロットのデゴルジュマンは,2015年5月,総生産量2,500本。

*キュヴェ名の由来
 このシャンパーニュは,粗糖や甜菜糖などのサッカロース/saccharose(*1)を使わずに,グルコース/Glucose(*2)とフルクトース/Fructose(*3)というブドウの自然な糖分のみで醸造されました。この二つの糖分はどちらもヘキソース/hezoses(六炭糖)(*4)で,ose(単糖類に属し,6つの炭素原子を持っています。そこから2Xoz(発音:ドゥ・フォワ・オズ)と命名されました。これは単糖が2つということを発音記号で表したものです。フランス語で単糖をオズ/ose(*5)と言います。これは「オズ」と発音するため,発音記号にすると「oz」となります。そして,グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)という2つの単糖があるので,「2X=2かける」となり,すべて続けて発音すると「ドゥ・フォワ・オズ」となります。

*かすかな色調
 この2Xozが少し色付いているのは,可能な限り遅摘みした過熟のピノ・ノワールに由来するからです。通常,シャンパーニュでは潜在アルコール度数が7.5度に達すればブドウを収穫できます。しかし,このピノ・ノワールは潜在アルコール度数12-12.5度で収穫されました。このように過熟が進んだピノ・ノワールの皮は非常に柔らかくなるため,ダイレクト・プレスの際に皮からアントシアニンなどの色素が放出され,果汁に流入したのです。一般的に,色素を構成するアントシアニンの一部は澱やブドウ滓にキャッチされるので,発酵と熟成を経ると色素は失われますが,この2Xozの果汁は通常の圧搾果汁より色付いていたため,醸造後もかすかな色調が残りました。。
*1:サッカロースは砂糖の学術名
*2:グルコース(ブドウ糖)
*3:フルクトース(果糖)は果汁やハチミツに含まれ,ブドウ糖と結合した蔗糖として広く植物中に存在する糖分
*4:ヘキソース(六炭糖)
*5:オズ(単糖)とは,それ以上加水分解されない糖類。単糖は複数の糖が結合(脱水適合)して,さらに大きな糖(多糖,オリゴ糖,二糖)を形作る際の構成要素となる。一般に水溶性で結晶性の無色固体である。

『ゴー・ミヨ ギド・シャンパーニュ 2014年版』掲載のコメント
・・・前回の試飲と同じ感覚を味わうことができ,私たちは再びこのシャンパーニュに魅了された。熟れて溢れるような果実味とスパイスがマリアージュし,引き締まっていながらも太く深みを持って口中に広がる。フィニッシュは長く魅力的で,ほんの僅かに苦味が感じられる。  ★19/20点&ク・ド・クール(評価は2006年物)

『シャンパーニュ・エ・オートル・ビュル 2014年版』掲載のコメント
・・・自然に発生するグルコースとフルクトースのみを使用。“甘味”を出すためにサッカロースは添加しない。2種類のヘキソースしか含まないキュヴェ。これがキュヴェの名前の由来。ピノ・ノワール100%のこのシャンパーニュは、まず驚くことにシェリーの香り,そしてランシオが非常にきれいなサクランボのアクセントへと誘う。クリーミーで洗練された泡のおかげで口中は奥深く,フレッシュ。これぞ偉大なシャンパーニュである。非常にピュアなこのシャンパーニュの特徴がフィニッシュまで続き,余韻が長くきりっとしている。  ★17/20点

『インターナショナル・ワイン・セラー 2010年11-12月号』掲載のコメント
・・・明るいサーモンの皮の色合い。2年前に私が味わったものよりは生き生きとして,柑橘類の香りが躍動している。オレンジとレモンの皮の香りは,深みのある梨やマルメロの風味と,フレッシュなセージのノートによって補完されている。力強いシトラスと果樹園のフルーツの風味,桃のための微かな苦味などが強烈に密集しているが,それでも生き生きとしている。スモーキーなミネラルのノートが豊潤でシャープなフィニッシュに非常に長く残る。このシャンパーニュに使われたブドウは十分な糖度に達する目的で,通常より遅く収穫された。つまり,このキュヴェはブドウが良く熟した年にしか造られないということだ。  ★92/100点(評価は2004年物)

『ワイン・スペクテーター(ウェブ・サイトのみ)』
・・・明るいサーモンの皮の色合い。2年前に私が味わったものよりは生き生きとして,柑橘類の香りが躍動している。オレンジとレモンの皮の香りは,深みのある梨やマルメロの風味と,フレッシュなセージのノートによって補完されている。力強いシトラスと果樹園のフルーツの風味,桃のための微かな苦味などが強烈に密集しているが,それでも生き生きとしている。スモーキーなミネラルのノートが豊潤でシャープなフィニッシュに非常に長く残る。このシャンパーニュに使われたブドウは十分な糖度に達する目的で,通常より遅く収穫された。つまり,このキュヴェはブドウが良く熟した年にしか造られないということだ。  ★92/100点(評価は2004年物)

『ゴー・ミヨ レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス 2011年版』掲載のコメント
・・・アロマティックなシャンパーニュ。ダイナミックで味わい深い。柑橘系の香りのなかにトースト香が感じられる。力強く持続性のある発泡。味わいはオレンジや蜜蝋のフレーバー,苦味を伴う
★17.5/20点(評価は2004年物)