Picpoul-de-Pinet Saint-Peyre AOC, Blanc
/ピクプール・ド・ピネ 白
*ワイン名:ピクプール・ド・ピネ 白
*原産国/地方:フランス/ラングドック地方
*格付け:AOC ピクプール・ド・ピネ
*ブドウ品種:ピクプール・ブラン

*スクリューキャップ
*醸造
 葡萄は成熟してから(潜在アルコール度数12.5度)夜間に収穫。数時間のマセラション・ペリキュレールの後、空気圧圧搾機でゆっくりと圧搾。ステンレスタンクで48時間低温発酵。温度調整機能付きのステンレスタンクを用いて15度で発酵。シュール・リーの状態で熟成。

 グリーンがかった光沢のあるイエローの美しい色調。レモンやマンゴーを思わせる繊細でフルーティーな柑橘系の香り。ワインはピクプール種の固有の強い酸に特徴づけられている。アルコールとグリセロールによってもたらされる丸みと豊かさが、この酸味と非常にバランス良く調和している。香りも余韻に長く残る新鮮で繊細なワイン。牡蠣や貝、焼き魚と相性が良い。サービスは10度前後で。

『ワイン・アドヴォケイト 183号/2009年6月号』掲載のコメント
 私の大好きな辛口白ワインの1つ。この典型的なアペリティフの辛口白は、パスタ、チキン、そして魚介類の料理にも良く合う。緑のヒントのある薄い麦わら色の色調で、メロン、グレープフルーツ、青りんごの香りを備える快活なワイン。ライト・ボディでキリッと爽やかで、驚くほどの強烈なフレーヴァーを持つ。  ★89/100点(2008VT)

パリ農事コンクール2019 金賞(2018VT)
ヴィナリー・ナショナル・コンクール2019 金賞(2018VT)
ラングドック=ルーション・ワイン・コンクール2019 金賞(2018VT)
ヴィナリー・インターナショナル・コンクール2019 銀賞(2018VT)


*ピクプール・ド・ピネと生産者について
 南仏モンペリエ近郊に位置するリヨン湾のトー湖のそばに広がるAOCピクプール・ド・ピネ。海のテロワールを享受するこの地に植えられた、フランス最古の品種の一つであるピクプール・ブランの単一品種100%によるワインだ。ジャンシス・ロビンソンやヒュー・ジョンソンも取り上げるこの品種の単一ワインは、世界中でも南仏にしか存在しない。ワイン愛好家であれば味わっておくべき必須ワインだ。

 このピクプール・ド・ピネで最優良生産者と認められているのが、カーヴ・レ・コスティエール・ド・ポメロール/La Cave Les Costieres de Pomerols。ラ・カーヴ・レ・コスティエール・ド・ポメロールは、南仏モンペリエの南にある港町セート近郊の地中海をのぞむ小さな村、ポメロールの生産者組合。350の組合員によって構成され、合計で1800ヘクタールのブドウ畑を所有している。そのうち230ヘクタールがコトー・デュ・ラングドックにのアペラシオンに属し,白ワインのピクプール・ド・ピネを生産している。アメリカに輸出されたのを機に、評価はうなぎ登り。パーカー・ポイントも年々上昇した。パーカー自身も「私の大好きな辛口白ワインの1つ。ライト・ボディでキリッと爽やか。驚くほど強烈なフレーヴァー」と絶賛する。また、2017年には、パリ農事コンクールで21のメダルを受賞という快挙を達成。ヴィナリー・インターナショナル、シャルドネ・デュ・モンドなど、数々のコンクールに出品し、多数受賞している。

*ピクプール品種について
 ラングドックの古代品種で、ブラン、ノワール、グリのタイプがある。ピクプールとは「舌を刺す」という意味で、この品種のマストが持つ強い酸から名付けられたと思われる。17世紀の初めには実用的な葡萄としてクレーレットと良くブレンドされていた。フィロキセラ禍の後、20世紀になると、あまり収量が多くないこともあって、人気が衰えたが、砂地に耐久性があるため、近年はこの品種が引き抜かれた海岸沿いの葡萄畑を中心に栽培が復活している。ピクプール・ブランは500haの栽培地が残っている。最も一般的なものは、レモンの香りのするフルボディなピクプール・ド・ピネで、特に地元では牡蠣に合わせて良く飲まれている。近年では、ブルゴーニュから南仏に進出した著名ドメーヌもピクプール・ブランでワイン造りをしており注目を集めている。