Robe d'Ange AOP Cores, Rouge/ステラ・ローズ(コルス) 赤
*ワイン名:ステラ・ローズ 赤
*原産国/地方:フランス/コルス地方
*原産地呼称:AOP コルス
*品種:ニエルッチオ、スキアカレッロ
*醸造
 グリーン・ハーヴェストで4-7房残るように剪定。手摘みで収穫したブドウを100%除梗する。フランス製トロンコニック(円錐形)オーク樽を使い、野生酵母のみでアルコール発酵を行う。発酵温度は25度で、期間は3週間。樽発酵においてマティエール(素材)、色、そしてより滑らかなタンニンを引き出すために有効であるピジャージュを2回実施。発酵終了後、引き続き2週間の果皮浸漬を施す。発酵槽から引き抜き、空気圧式圧搾機で圧搾した後、引き続きトロンコニック樽で8ヶ月熟成を行う。3回澱引きの後、アッサンブラージュを行い、無清澄・無濾過で瓶詰め。総生産量1,300本



*コメント
 深いルビー・レッドのローブに、レッド・フルーツやスパイシーさを伴うブラックフルーツの香り。上質なタンニンを持つ美しい味わいをかもし出している。フィニッシュにはキルシュとスパイスが感じられ、長く複雑な味わいが続く。サーヴィスは17度で。
 “ステラ”はラテン語で星を、“ローズ”はバラを意味する。当主ジョゼ・ヴァヌッチとファブリス・クルメールの娘の名前から命名され、彼女が誕生した2008年から造っている。
 ラベルには《収穫、醸造、大切に可愛がられ、蔵元で瓶詰め。親子の歴史をブドウは語ってくれる。なぜならブドウはコルシカの小石の土地に引き継がれる世代間をつなぐ道しるべの糸だから》と記載されている。

 トロンコニック(円錐形/12hl)の木樽で熟成させている点も興味深い。通常の木樽で熟成させるとアロマが落ち、タンニンの重合(=分子同士が結合して、分子量の大きい新たな分子を生成する反応)が進みワインに樽香が付くが、トロンコニックは、225Lや228Lの樽と比べて液体の体積があるため、樽によるめかし込んだ感じや皮肉的な意味での上出来な印象がない。私が気に入ったこのステラ・ローズには、品種それぞれの特徴が現れている。ミニュステリュのジューシーさ、スキアカレッロの快活な張り、ニエルッチオのスパイシーさを持ち合わせている。その混合が素晴らしい。繊細さとエレガントな要素が高い良い赤ワインであることに、皆さんも口に含んだ瞬間から気が付かれたことでしょう。

オリヴィエ・プーシエ(2000年世界最優秀ソムリエ)のテイスティング・コメント
 私の大好きなドメーヌ、クロ・フォルネリの素晴らしいキュヴェ、ステラ・ローズ 赤 2014。沖積土とシストが混ざった土壌が個性を与えた。2014年物の構成品種は、ニエルッチオ50%、スキアカレッロ40%、ミニュステル10%。ミニュステルはコルスの非常に特殊な土着品種で、2014年バスティアで出会ったのが最後、試飲の機会には滅多にめぐり合えない。唯一残念なことはアペラションの規定でアッサンブラージュの使用限度があることだ。配合比率をもっと増やして欲しいところだ。ミニュステルはコルスの重要で象徴的な品種。特別で唯一無二のこの品種は、コルスのアイデンティティーとなり、この地の農業の一部を担っていくだろう。(評価:2014VT)

『ル・ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス 2024年版』  ★91点(評価:2020VT)