Sancerre Cuvee Prestige AOC, Rouge
サンセール キュヴェ・プレスティージュ 赤
*ワイン名:サンセール
キュヴェ・プレスティージュ 赤
*原産国/地方:フランス/ロワール地方
*格付け:AOC
*ブドウ品種:ピノ・ノワール
*コメント
サンセールを代表する造り手リュシアン・クロシェは、何と言っても白ワインで有名だが、実は、良作年に限り、ドメーヌ最古のピノ・ノワールから極少量のみ造られる、とっておきの赤のキュヴェ・プレスティージュが存在する。サンセールの赤と言えば珍しいだけのロゼのようなものが多い中、このクロシェのキュヴェ・プレスティージュは、完熟したピノ・ノワールによる深い色調と濃縮感のあるしっかりとした口当り、そしてイチゴやチェリーのジャムを思わせる豊かな芳香性を併せ持った最高の赤ワインである。滑らかな熟成感をたたえたこのサンセールは、ブルゴーニュ好きをも唸らせる出色の出来で、まさにクロシェ・マジックと言えるほどの芸術的作品となっている。事実、当主リュシアンの息子で現在ドメーヌの醸造責任者を務めるジルは、ディジョン大学醸造学部を卒業後、ドメーヌ・デュジャックで研修したこともあって、両者のワインには肌理の細かいタンニン抽出という共通性が感じられることが多くの評論家によって指摘されている。白のキュヴェ・プレスティージュ同様、ドメーヌの中で最も古いヴィエイユ・ヴィーニュのピノ・ノワール(平均樹齢55年)を用い、作柄の良い年に限り醸造される赤ワイン。

葡萄が栽培されている畑の土壌は、カイヨットとキンメリッジ階の泥灰土壌。手摘みで収穫した葡萄を畑で選果した後、醸造所の選果台でさらに厳選。7日間の低温マセレーションを実施した後、温度調整管理の元7日間発酵。14日間マセラシオンを実施。定期的にルモンタージュとピジャージュを実施。バリック100%(新樽40%、1年樽40%、2年樽20%)で熟成を行う。22ヶ月間の熟成後、瓶詰め。

深いルビーレッドのローブと青色の反射。スグリやブルーベリーなどのブラック・フルーツのコンフィ思わせるような香りが顕著。アタックは力強く、マティエールと粘性があるふくよかな味わい。タンニンは顕著だが大変しなやか。赤身の肉料理(ロースト)や雉やしゃこ等の猟鳥や鹿のフィレ肉の料理に最適。サーヴィス温度は14〜15度。

『ワイン・アドヴォケイト』(2012年6月号)掲載のコメント
紅茶のスモーキーな香りやタール、シナモン、革の香りがする。革の香りはタンニンとしても現れているが、十分なジューシーさがある。全体的に赤い果実がバランスよく表現され、フィニッシュはスパイシー。12~18ヶ月が飲み頃。  ★87/100点(評価:2006VT)