Les Cepages Oublies Gamay de Bouze IGP, Rouge
/レ・セパージュ・ウーブリエ ガメィ・ド・ブーズ 赤
*ワイン名:レ・セパージュ・ウブリエ
ガメイ・ド・ブーズ 赤
*原産国/地方:フランス/ロワール地方
*原産地呼称:IGPヴァル・ド・ロワール
*ブドウ品種:ガメィ・ド・ブーズ100%
*コメント
 このワインはブルゴーニュのブーズ・レ・ボーヌ村が起源で、シェール渓谷の古い伝統的品種であるガメィ・ド・ブーズ(別名:ガメィ・ノワール・ア・ジュ・ルージュ)から造られています。ガメィ・ド・ブーズは、19世紀はもちろん、1960年代-70年代までトゥーレーヌ地方で広く栽培されていた品種で、クラシックなガメィ・ノワール・ア・ジュ・ブラン(ボージョレやトゥーレーヌで一般的に栽培されているガメィ)とは異なり、果皮が厚く、果肉に色がついている半赤果肉(セミ・タンチュリエ)のガメィ種です。このため、ガメィ・ド・ブーズの果汁は非常に色鮮やかで、当時は、むしろ田舎風ではありながらも、豊かなコクによって珍重されたワインを生み出していました。INAOは最初、ガメィ・ア・ジュ・ブランに15%の比率で混醸できるようにして、この品種の使用を寛容しましたが、その後、AOC トゥーレーヌの指定品種から完全に外してしまいました。その結果、ガメィ・ド・ブーズは、現在ではほとんど消滅してしまったのです。しかし、私は全く偶然にこのガメィ・ド・ブーズの1区画を手に入れることが出来たのです。

 1997年に、私の隣人の1人が、自身の1ヘクタールの区画からガメィ・ド・ブーズ品種を引き抜こうとしていたのです。私は、私の両親や祖父母たちの喜びであったガメィ・ド・ブーズのブドウ畑を救うために、その区画を貸してくれるように彼を説得したのです。出来上がったワインを試飲してみて、まず、非常に濃く強い色、続いて、子供の頃、両親の大樽に穴をあけてこっそり飲んだ懐かしいこの品種のワインを瞬時にして思い出させるアロマに驚かされました。こうして、私はかつて、その力強さとエレガントさで好んで飲まれていた、あの素晴らしいガメィ・ド・ブーズのワインを再発見したのです。栽培と醸造はクラシックなガメィのキュヴェと同様の方法で、私自身がドメーヌで行っています。
画像右上:ガメィ・ド・ブーズの房とブドウの葉。濃密でコクのあるワインが生み出されることがわかる小さな房。独特の赤い葉を付ける。

 このワインのタンニンは非常に顕著ですが、まろやかでハーモニーが取れています。黒い果物の入った籠から感じとれるような柔らかいタンニンを持つ田舎っぽいカメイです。濃密さと口中の存在感は感動的で、他に存在するいかなるワインとも比較できません。軽食やソース付きの肉料理、伝統的なジビエ料理などによく合います。

*ガメィ・ド・ブーズはAOC トゥーレーヌの指定品種になっていないため、ワインのカテゴリーはIGPヴァル・ド・ロワールになります。

*ミッシェル・ポン(『ル・フィガロ』誌のジャーナリスト)のコメント
・・・“セパージュ・ウブリエ” はアンリ・マリオネが生んだもう1人の神童である。このキュヴェは法的にはいかなるAOCを名乗る権利もない。なぜなら、INAOがこのキュヴェを構成している品種、つまり、かつてシェール渓谷で伝統的な赤ワインを生んでいた半赤果肉のガメィ・ノワール・ア・ジュ・ルージュを、ずっと前に指定品種から外してしまったからである。非常に濃く強いローブ、柔らかいタンニン、黒い果物のアロマ、田舎風でコクのあるワイン。どんな比較も必要としない。

『ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』誌のコメント
・・・ガメィ・ド・ブーズからこのうえなく美味なワインを造るアンリ・マリオネは、これこそが彼が少年時代に飲んでいたワインであることを覚えている。INAOが栽培品種の指定から外してしまったために、AOC トゥーレーヌを名乗ることができないガメィ・ド・ブーズは、ヴァン・ド・ペイ・デュ・ジャルダン・ド・ラ・フランスとして、“セパージュ・ウブリエ”(忘れられた品種)という名前で販売されている。1世紀前、除梗もせず、酸化から守ることもなく醸造されていたブドウは、必然的に粗野なワインを生んでいたことでしょう。しかし、今日、アンリ・マリオネは他の赤ワインと同様に、培養酵母の添加も補糖もせず、炭酸ガスで保護しながらマセラシオン・カルボニックで発酵させ、ワインが最大限の果実味を持つようにしている。
 黒に近い深紅のローブ。ワインは魅力的な芳香を持ち、ブルーベリーやイチゴを心地よく感じさせてくれます。味わいは非常に豊満で肉付きがよく、タンニンは粘性があり果実味と果肉に溢れています。味わい深く、同時に瑞々しい。そして、素晴らしくナチュラル。本当の喜びである!