Touraine Sauvignon M de Marionnet AOC, Blanc /トゥーレーヌ・ソーヴィニヨン エム・ド・マリオネ 白 |
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*ワイン名:トゥーレーヌ・ソーヴィニヨン エム・ド・マリオネ 白
*原産国/地方:フランス/ロワール地方*原産地呼称:AOC トゥーレーヌ *ブドウ品種:ソーヴィニヨン・ブラン100% |
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1971年に植樹されたソーヴィニヨンの区画に由来するキュヴェで、収量は平均して1ヘクタールあたり25-35ヘクトリットル。このキュヴェの収穫は、通常の収穫よりも約1ヶ月遅く、ブドウの熟度は一部のブドウに貴腐菌がつくほど、非常に進んでいます。 収穫は手摘みで行われ、厳格な選別の後、房は慎重に籠に入れられます。完全に清潔な獎果のみを使用し、籠から直接圧搾機に入れられ、伝統的な圧搾を行います。通常、果汁はアルコールを十分に含んでおり(12-14度)、補糖も培養酵母も添加せずに、20-25度の温度で自然に発酵させます。発酵は2ヶ月にも及び、発酵終了後、マロラクティック発酵が開始するあらゆるリスクを避けるため、ワインは粗い澱から分離されます。瓶詰めは収穫の翌年の春に、軽く濾過した後に行われます(エム・ド・マリオネはヴァンダンジュ・タルディーヴで、ブドウが収穫された年のみ造られるキュヴェであるため、毎年は生産されません)。 このワインの豊かさは驚くべきほどで、他のソーヴィニヨンとは似ても似つきません。まさしく、グラスの中で爆発するかのようにアロマが発散します。白桃、アプリコット、パッション・フルーツ、パイナップル、グレープフルーツ、マンゴーに続いて、ヴァニラやトースト、そして最後にシナモンの香りが感じられます。非常に長命ですが、若いうちからでも美味しく飲むことができます。9-10度に軽く冷やしたほうが良いでしょう。 1990年7月、『ゴー・ミヨ』誌主催の<ワイン・オリンピアード>において、“エム・ド・マリオネ”の1989ヴィンテージは、サンセールやプイィ・フュメ、カリフォルニアのソーヴィニヨンなど世界から集まってきた最上のソーヴィニヨンをおさえ、見事第1位を獲得しました。 『ワイン・アドヴォケイト111号/1997年6月号』のコメント ・・・素晴らしい試飲家であるマリオネは、ロワール地方で最も過小評価されている造り手の1人だろう。私は1990年の“エム・ド・マリオネ”を1ケース購入し、5年かけて飲んでみたところ、どれも、比較的無名のアペラションであっても、優秀なブドウ栽培者にしか造ることのできないソーヴィニヨンのワインだった。1997年1月に、パリで1990年物の“エム・ド・マリオネ”をブラインドで試飲してみたことがあり、私が購入して飲んだケースのワインよりも美味しく感じられたことから考えると、飲むタイミングが、多少早すぎたようだ。このワインは最高のヴィンテージでしか造られないので、1990年以来、1995年が最初の“エム・ド・マリオネ”のヴィンテージである。しっかりとしており、固く上品なソーヴィニヨン100%のワインであり、力強く濃厚でありながら、補糖せずに造られたアルコール14度のワインだ。パイナップルやグレープフルーツ、ミネラルの香りを放ちながら、ハチミツやイチジクを感じさせる見事に濃縮されたミディアムからフル・ボディのワインである。しっかりとしており純粋で熟成された見事なワインである。半年から1年はセラーで寝かせ、その後4-7年後に飲み頃を迎えるだろう。 ★90点(評価:1995VT)
『ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』誌のコメント ・・・品種のあらゆるステレオタイプからかけ離れた、豊かでエレガントなソーヴィニヨン。創造的なワインである。アンリ・マリオネは、偉大な年だけに造られる“エム・ド・マリオネ”を、魔法のようなテロワールと低収量によって、ソーヴィニヨンに捧げる金字塔にすることを願った。このキュヴェのために、通常の収穫よりも1ヶ月遅らせて行われる収穫は、もちろん手摘みである。この並外れたワインは、テイスティングにおいて世界中の最も偉大なソーヴィニヨンより常に圧倒的に優れている。それを発見できるこの機会を逃すなかれ。 季刊誌『ジャーナル・ド・ラ・ソローニュ』誌のコメント ・・・これはあらゆる基準から逸脱したキュヴェで、非現実と紙一重だ!しかし、最も豪奢なキュヴェである。黄金色に輝き、パッション・フルーツやマルメロ、桃や洋梨、パイナップル、グレープフルーツ、ヴァニラ、トーストを思わせるとてもフルーティーなアロマ、同時にカシス、アカシア、火打石の香り。そして、最後にはヘーゼルナッツのアロマも感じられる素直で混じりけのないアタック。素晴らしい酸とともに力強さを持ち、粘性があり、並外れた余韻を持つ。グラスが温まるにつれ一口一口変化し、舌の上に次々に現れる壮大な描写。このワインは、特にすべての偉大なワインを味わいつくしたと思っている玄人や、最も見識に富む愛好家に、ゴムの矢のように働きかけて、桁外れな喜びを与えるだろう。これぞ繊細で、風味のある新しい味わいの崇高なワイン!ぜひ、この言葉を信じていただきたい。このワインを見つけたのなら、1秒たりともためらわないことだ。貴方の味覚と見識を満足させるこの機会を逃すことはあまりにもばかげている。この素晴らしいパフォーマンスと称賛に値する是認に対し、もう一度我々のすべての賛辞をアンリ・マリオネに贈る。 *ミッシェル・ポン(『ル・フィガロ』誌のジャーナリスト)のコメント ・・・ソワン・アン・ソローニュの偉大な造り手アンリ・マリオネは、数人しかいない“ソーヴィニヨンの魔術師”の1人である。つまり、彼は、我々がじりじりしながら発売を待っているリュシアン・クロシェのサンセール“ヴァンダンジュ・タツディーヴ”のように、特別な才能なくして醸造された時には不快な草のようになってしまうソーヴィニヨン品種から、思いがけない、驚くべき、そして素晴らしい味わいを引き出すことができる数少ない醸造家に属しているのだ。“エム・ド・マリオネ”は辛口でありながら、豊満でまろやか、レモン・コンフィの深いアロマと予想外の余韻を持つ類いまれなキュヴェで、少量しか造られず、毎年はお目にかかることができない。アペラションの通常の特徴はまったく備えておらず、むしろ、創造者であるアンリ・マリオネの感性に対応しているワインである。まず何よりも、通常存在するやや青っぽい草のようなソーヴィニヨン種の典型的な香りが感じられない。しかも、我々をどこか遠いブドウ栽培地に誘うまろやかさと豊満さがある。エルミタージュの白やコンドリューを連想させ、さらには、ブルゴーニュを思わせるトーストや蜂蜜の印象さえ感じられる。しかし、この“エム・ド・マリオネ”にはいかなる魔法も存在しない。ほぼ1ヶ月収穫を遅らせただけなのだ。マストの糖度が高く、通常よりも時間をかけた発酵は12月まで続き、辛口に仕上げている。このワインはカキに合わせるほど生き生きとはしていない。しかし、リッチで複雑なアロマと自然の力強さは、高級魚のソース料理や甲殻類(特にオマール海老のソース・アメリケーヌ)、ソースのかかった鶏肉料理が理想的な伴侶となるに違いない。フレッシュ・フォワ・グラにさえも見事に調和する。ずば抜けていて、ソーヴィニヨンに分類することができないキュヴェ!数年間は保存可能。 画像:エム・ド・マリオネの醸造に使われるソーヴィニヨン・ブランの区画。 ブドウを食べて糖度を確かめているジャン=セバスチャン・マリオネとアンリ・マリオネ。 |