HOME  >>  生産者情報  >> ドメーヌ・ラパリュ(フランス/ボルドー地方)

以前、乗合馬車が行き交っていた時代、この畑は彼らの宿場であった。人々がこの馬車を「パタッシュ」と呼んでいたことから、やがてこの宿場にこの名前が与えられ、ラベルのイメージもそれに由来するものとなった。当時ここではまだワインは造られていなかったが、旅人たちは美味しいワインで渇いた喉を潤していた。1964年、ベガダン村に広がるこの畑を購入したのが、現在の経営者ジャン=ミシェルの父クロード・ラパリュである。彼はパタッシュを購入後、他の畑も購入し、所有地を拡大して行った。コスト・パフォーマンスを追求し続けたラパリュ家は、1990年代に名声を手に入れ、以降それを守り続けてきた。当時、いくつかのクリュ・ブルジョワのシャトーが、ワインの質の高さに比例するかのように出荷価格を上げていった中、パタッシュ・ドーはそれらのワインに優るとも劣らない実力を持ちながら、価格を抑え続けた。その徹底ぶりは素晴らしく、そんなドメーヌを名声あるレストランが支持したのだ。

2001年にはドメーヌ・ラパリュ会社を設立するまで大きくなった。現在はボルドー大学で醸造学を学んだ息子のジャン=ミシェル・ラパリュが舵を取り、ドメーヌ・ラパリュの改革に勤しんでいる。収量を抑え、環境に配慮した栽培を実施。またHACCP認定も受けている(微生物による汚染、金属の混入などの危害要因を分析した上で危害の防止につながる特に重要な工程を継続的に監視・記録する工程管理システム)。コンクリート・タンクや垂直プレスを使用、木樽の適切な使用のため新樽は20%以下にとどめる、など醸造の各工程を記録し、技術改善の研究に努め、自然環境への悪影響を最小限に抑えるよう努力している。2002年にはLVMHグループのシャンパーニュ・ワイン部門に長年勤務していたマルク・フェルテが社長に就任した。現在は左岸と右岸に5つのシャトーを所有するアントワーヌ・ムエックス社が所有しており、パタッシュ・ドーはミシェル・ラパリュとムエックス社の共同出資となっている。ワイン造りは変わらずミシェル・ラパリュ中心に行われ、2014ヴィンテージから、コンサルにステファン・ドゥルノンクールを迎えた。2015ヴィンテージ以降は、ISO14001を取得し、CMR(発がん性、変異原性、生殖毒性)製品の使用を止め、ビオコントロール(自然のメカニズムを利用した薬剤や製品)を一部的に使用するのみとなった。2017ヴィンテージ以降は、HVE認証レベル3を取得している。

歴史的に馬にゆかりのあるシャトー・パタッシュ・ドーは、2014年からロレックスやロンジンなどがスポンサーを務める世界最高レベルの馬術競技会 マスターズのオフィシャル・パートナーとなり、ワインは大会勝者への景品として、また公式飲料として提供されている。現在はコロナの影響で中止しているが、2023年から再開する予定。



パタッシュ・ドーの土壌
ジロンド河の左岸に位置するベガダン村に、パタッシュ・ドーの畑は広がっている。畑は台地の上にあり、夏は暑すぎず、冬は寒すぎず、雨が降っても水はけが良い。土壌は粘土石灰質。保水性のよい粘土質には乾燥に弱いメルローが植えられることが多い中で、シャトーでは乾燥した砂利質を好むカベルネ・ソーヴィニョンを植えている。粘土質で育ったカベルネ・ソーヴィニョンはより力強く、より酸味の強い仕上がりとなる。また収穫時期を周囲のシャトーよりも遅らせ、熟成度、繊細さ、複雑さが最大限に達した熟果を収穫する。それゆえ、仕上がるワインは強い酸度と複雑味を備えた、他のシャトーと比べてもはるかに長い、10〜15年という長期熟成可能なワインとなっている。
◆各キュヴェの詳細◆
Chateau Patache d’Aux AOC Medoc / Cru Bourgeois, Rouge
/シャトー・パタッシュ・ドー(メドック/クリュ・ブルジョワ)赤
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Le Relais de Patache d’Aux AOC Medoc, Rouge
/ル・ルレ・ド・パタッシュ・ドー(メドック) 赤 ==>> 詳細はこちら

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