当主ペーター・フェムフェルトがマレンマ地区に37ヘクタールものブドウ畑を購入したのは1999年のこと。ワイン造り以外では芸術に大変造詣が深い当主は、その1年前、ワインにもさらなる芸術性=Creativityを求め、DOCG キァンティ・クラッシコの規定を離れてより自由な発想で新しい芸術的なワインを生みたいと考えるようになった。そして、この構想を親交の深いカルロ・フェリーニに持ちかけ、二人は意気投合。新しい芸術的なワインを創造するための土地探しを二人三脚で行うことになったわけである。「良いワインは秀逸な畑からしか生まれない」という哲学を持つカルロ・フェリーニは、得意の科学的分析で土壌組成を調べるだけではなく、土の匂いを嗅ぎ、土を手のひらにのせて触り、味をみる(!)という作業を繰り返し行った。そして1年後の1999年、二人が納得する完璧な区画モンジベッロ・デッレ・マンドルライエ/ Mongibello delle Mandorlaieを探し当てたのだ。その直後、テロワール独自の味わいを持つワインを造るために、メルロー、カベルネ、シラー、アリカンテ、プティ・ヴェルド、タナという多様なブドウ樹を植えた(現作付面積11ヘクタール)。そして6年後の2003年に、ファットリア・ニッタルディから待望のスーパー・タスカン ネクター・デイがリリースされる運びとなった。それは、巨匠カルロ・フェリーニの醸造技術、当主フェムフェルトの情熱と努力を惜しまない意思、そしてマレンマ最高のテロワールであるモンジベッロ・デッレ・マンドルライエの力の全てが完璧に融合した最高傑作となっている。
マレンマ地区
トスカーナの新興ワイン産地と言えば、キァンティ・クラッシコ地区の西、ティレニア海に面した西部海岸地域。北にはサッシカイアで有名になったボルゲリ地区があり、その少し南のスヴェレート地区ではトゥア・リータがメルロー100%のワインで大成功を収めた。さらに南下すると、今、最も注目を浴びるスカンザーノを中心とするマレンマ地区がある。この地区は標高が高く比較的涼しい。また、土壌は他にないような酸性土壌で、ブドウが比較的容易に成熟するといわれている。そしてネクター・デイはこのマレンマ地区の最高区画モンジベッロ・デッレ・マンドルライエ/Mongibello delle Mandorlaieで収穫される完熟ブドウから造られている。