Louro DO Valdeorras, Blanco/ロウロ(バルデオラス) 白 *参考品* | |
*ワイン名:ロウロ 白 *原産国/地方:スペイン/ガリシア地方 *原産地呼称:DO バルデオラス *ブドウ品種:ゴデーリョ96%、トレイシャドゥーラ4% *栽培地域:オ・ボロ *土壌:花崗岩の砂質 *地形:テラス式の丘、緩やかに傾斜 *標高:600メートル以上 *気候:大西洋の影響を受ける大陸性気候 *ブドウの平均樹齢:25年以上 *整枝法:コルドン・ロヤとギヨ *栽培面積:19.5ヘクタール *栽培面積:1ヘクタールあたり36ヘクトリットル |
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*コメント: 自社畑及びオーガニック栽培を導入している28区画のブドウに由来。発酵に先立ち、4時間のスキン・コンタクトを施す。その後、培養酵母を添加、ミディアムよりも強めにローストしたフランス/ノルマンディ産の容量35ヘクトリットル(*)の大樽でアルコール発酵。発酵温度は17度。発酵終了後、シュール・リーの状態で熟成。この間、週に1度バトナージュを施す。熟成期間は4ヶ月。瓶詰めは収穫翌年の4月。2016年物の生産本数は95,000本。 ちなみにロウロはガリシア語で「金髪」という意味。金髪を思わせる色調のワインであることから、このように命名された。 *ノルマンディ産の樽:ラファエルは樽を香り付けではなく、ワインへの酸素供給を行うためにノルマンディ産の樽を使用している。ノルマンディは他の樽の産地と比べ気温が低いため、香りが強くなく、木目が粗い。ワインを安定させるために必要な酸素を多く取り込む作用に優れている。 *トレイシャドゥーラについて 1981年植樹の1ヘクタールにも満たない古くからある区画で育ったトレイシャドゥーラは、品質と個性がゴデーリョに良く似ているが、違いを挙げるなら、ゴデーリョに比べてやや骨格がしっかりとしており、新鮮なアロマがある。深みとボディはゴデーリョの方が勝っている。よりエレガントで新鮮さをもたらすため、トレイシャドゥーラを加えている。 またヴィオニエにも似た品種だが、ヴィオニエよりはエレガントで繊細、また、ユニークなキャラクターを持つ。最初に購入した畑に植わっていたブドウ樹で、樹齢とともに十分なポテンシャルが備わったので、2012年よりゴデーリョ主体にトレイシャドゥーラをブレンドしている。 ☆ヴィンテージ2016: 特別なヴィンテージ。9月末にブドウの成熟が始まり、10月にかけてゆっくりと熟成。夜間の冷涼な気候がワインに爽やかさを与え、よりアロマが際立ち、繊細で心地よい味わい。酸があり、非常に爽やかで、長熟のポテンシャルが高い。2015年と比べ、ブドウの成熟度による違いが、はっきりと味わいに出ている、時間の経過とともに、よりワインの良さが引き立って来るはず(2015年のアルコール度数は14度。常にエレガント。2016年は冷涼感あり)。フィニッシュに塩味、ミネラル、ミント、また冷涼感が感じられる。3,000リットルの大樽で4ヶ月熟成。 *他の造り手によるゴデーリョのワインは、平地での栽培のため、味わいが比較的フラット。ラファエル・パラシオスのゴデーリョは、標高の高さや砂地から来る「ミネラル」が感じられる。 《2015, 2016... ヴィンテージの違い》 ☆ヴィンテージ2015: 夏が涼しく、9月にはブドウが熟成を迎えていた。10月に収穫を行ったので、ブドウが成熟する時間が短かった。糖度が高く、フローラルでアロマティック。樽香がもたらすナッティーな印象を受ける。果実味、エレガンス、土壌由来のミネラル感が顕著。ゴデーリョらしいアタックがあり、繊細で心地よい味わい。花崗岩質がもたらすミネラル、塩味、テロワールの特徴が見事に表現されている。2015年物は凝縮感がある。成熟が早かったため、円みが感じられる。力強さがあり、時間の経過とともに変化する。3,000リットルの大樽で5ヶ月熟成。2003年、2006年に酷似しており、エレガントで豊潤。 ※ミネラルは、海のミネラルとは異なり、標高の高さや砂地からくるミネラル。標高が上るにつれ、花崗岩の純度が高くなるため、よりピュアな印象が強くなり、ミネラル感も高まる。 『ジャンシス・ロビンソン』 ブルゴーニュの白といえば、ここにピュリニィを凌ぐピュリニィがある。この驚異は、見事なゴデーリョとスレートの土壌、ガリシア産に起因する。名は挙げるまでもない、天賦の才能に恵まれたラファエル・パラシオス。とてもフレッシュで背骨にミネラル感がある演出。この入門レベルのワインは初期のトップ・ワイン、アス・ソルテスの最初の数年と同じぐらい素晴らしい。国際的にも見事な価値がある。 『ワイン・アドヴォケイト 2017年9月1日(232)号』掲載のコメント 内陸部の温暖なアペラシオン、特にDO バルデオラスの2016年物には期待ができる。ロウロ2016に驚愕した。自社畑に由来するゴデーリョを主体に、トレイシャドゥーラ8%をブレンドしている。ボロにある標高600mの花崗岩砂地に植樹されている平均樹齢25年のいくつかの小区画に由来する。天然酵母を使用し、3,000リットルのフランス産の大樽で発酵後、澱と一緒に4ヶ月熟成。生産量112,000本。2017年4月瓶詰め。。 ★92/100点 スペインのグルメ情報誌、『Revista Sobremesa(2017年9月号)』に掲載! 特集《ゴデーリョのある風景》5ワインに選出。最高評価を獲得:ラファエル・パラシオスが提供する、例外的な白。 ★97/100点 『ワイン・アドヴォケイト 2016年4月(224)号』掲載のコメント ロウロの2015VTは、主要品種ゴデーリョにトレイシャドゥーラ8%がブレンドされている。オ・ボロ地区にある自社畑に植わる平均樹齢20年のブドウに由来。ブドウは短期間のマセレーションを施し、果汁を3,000リットルのフレンチ・オークに移し、酵母を加えずに発酵。発酵終了後、同じ樽で澱と一緒に4ヶ月熟成。特に温暖なヴィンテージの時には、この品種のおかげで新鮮さを加えることができる。ボロ2015と比べると、格別な精密さ、新鮮さ、そして凝縮感がある。フレーバーはクリーンかつ凝縮感に満ち溢れ、刺激的な酸が持続性をもたらしている。その味わいは非常に長く続く。素晴らしい1本。キラー・ヴァリュー(=ハンパない価値)。 ★91/100点 『ワイン・アドヴォケイト 2015年7月号』掲載のコメント ゴデーリョ、そしてトレイシャドゥーラはスペインの土着品種で、片岩と花崗岩土壌に由来する。岩が破砕された土壌に由来することに驚きはない。ミディアム・ボディのなかに白すぐりと爽やかなシトラスを感じるが、重厚感のあるワイン。このドライな白ワインは大変魅力的で、今後12-18ヶ月が飲み頃だ。 ★88/100点(2014VT) 『ヴィノス 2016年1月号』掲載のコメント 明るく緑がかったストー・イエロー。タンジェリン・オレンジ、洋梨の皮、白い花のアロマのアクセントのある尖ったミネラルと、印象的なジンジャーのトップ・ノートがある。チョーキーなミネラルのアクセントのあるシトラス、たっぷりの果実と花のフレーバーが凝縮した、ドライではっきりとした口当たり。オレンジの風味とジャスミンを感じる、ミネラリーでドライな余韻が長く続く。 ★92/100点(2014VT) 『ワイン・スペクテーター 2016年10月15日号』掲載のコメント クリーミーなテクスチャーが洋梨のコンポートやヴァニラの青いフレーバーを導き、ジンジャーと塩味のノートが旨味を加える。凝縮感を保つのに十分な酸味があり、寛厚。 ★90/100点(2015VT) 『ギア・ペニン 2016年版』 ★92点(2014VT) |