クライヴ・コーツ著『ザ・ワイン・オブ・バーガンディ』やロバート・パーカー著『ブルゴーニュ』などのワイン専門書、そして『アシェット』に度々掲載されるドメーヌ・ジャナン=ナルテ・ペール・エ・フィスは、1858年に創設され、6世代にわたって独自のワイン醸造の秘訣と技量を受け継いできたドメーヌ。1978年に経営を引き継いだティエリ・ジャナン=ナルテは、メルキュレィ村の地元ワイン生産者組合の会長を務め、シャロネーズ地区で最も広大で収穫量が多く一流生産者が軒を連ねるAOCメルキュレィ村から南ブルゴーニュ全域で最も影響力をもつリーダーシップと知見を備えた人物。また、2011年7月にはオー・ド・ヴィ・ド・ブルゴーニュ管理団体(l’Organisme de Defense et de Gestion des eaux de vie et Ratafia de Bourgogne)の会長にも選任され、フィーヌ・ド・ブルゴーニュとマール・ド・ブルゴーニュの品質向上に関わるなど、ブルゴーニュ地方全体でも絶大な信頼を得てきた。そして2014年、農事功労賞の最高位であるコマンドゥール賞を受賞。コマンドゥール賞は受賞者が合計でわずか400人ほどという名誉ある賞だ。同年、ティエリはドメーヌの第一線から退き、甥にあたるブノワ・エシャールBenoit Eschardが6代目当主に就任。ブノワ・エシャールはパリで十数年ITエンジニアを務めたが、ブルゴーニュのテロワールへの情熱から転身を決意。そしてアンセルム・セロス(ジャック・セロス)、ギスレーヌ・バルト、フレデリック・マニャン、ヴァンサン・モレィ、ティエリー・モルテ、カロリーヌ・レスティメ(ジャン=ノエル・ガニャール)、ヴィルジニ・トプノ=メルム(トプノ=メルム)、ジャン=マルク・ピヨなどを輩出したボーヌ醸造学校(リセ・ヴィティコール・ド・ボーヌ/Lycee Viticole de Beaune)にて学び、ティエリの元で修行を積んだ。