・アルコール発酵中における果梗の役割は、急激な温度上昇を抑え、固体と液体のあいだの良好なバランスを取ってくれること。 ・時期尚早な酸化を引き起こす機械による冷却、ポンピング・オーバー、激しい攪拌などを行わないことによって、揮発性の最も高いアロマを保持し、ワインに固定することができる。 ・アルコール発酵の期間がより長くなり、最上の抽出と異なる成分(タンニン、色素、ポリフェノールなど)のあいだの自然の結合が可能になる。 ・除梗をする造り手たちは、しばしば、果梗に含まれる自然のタンニンの不足を、商店から購入したオークのタンニン(注:樽ということではなく、添加物としての「オークのタンニン」を加えることによって補おうとします。これは認められた行為ですが、ブドウに由来しない成分を加えることは、ワインのバランスにおける安定化と、調和あるワインの融合化を難しくしてしまいます。 ・手作業(ここれも機械は使わない)の液抜きの際、果梗という「植物性の塊」が自然なフィルターとなって大きい澱や沈殿物を捕らえるため、より清澄度の高いフリーラン・ワインの排出が促され、最上の圧搾が可能になります。 ・この最初の段階からワインの清澄度が高いため、熟成後の無清澄・無濾過の瓶詰めが容易になります。