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■ ネメア村 ■
アテネから南西へ110km、イタリアのローマから南東約1,200キロに位置するギリシャのネメア村は人口5,000人の村で、欧州屈指の歴史を誇るワイン栽培地。ネメアの丘は古代からブドウ樹で一面緑に覆われており、この地方特有の素晴らしい生態系が、ブドウ栽培に多くの恵みをもたらしている。オリンピアやスパルタで有名なこの一帯は現在、赤ワインのオパプ(O.P.A.P:アペラシオンワイン)としてはギリシャ最大の規模かつ最高品質ワインを生み出す産地のひとつであり、生産されるワインの90%は赤ワインである。主要品種はペロポネソス半島特産のアギオルギティコ。ギリシャでもマケドニア地方で主に栽培されるクシノマヴロに次いで多く栽培され、「小さなブルゴーニュ」との異名を持つアギオルギティコは、ギリシャ原産の黒ぶどうの中でも特に高貴な品種と考えられ、ネメアを語る上で欠かせない品種である。生産されるワインは深い赤色と非常に複雑な香りがあり、柔らかなタンニンとほどよい酸味が特徴の原始的セパージュだ。若いうちはさくらんぼを思わせるフルーツの香りが目立つものの、熟成させるとナツメグなどの香草やローズマリーの香りが現れる。また少量ながらも生産される白ワインは、ロディティスやサヴァティアーノなどから生産され、爽やかな味わいが特徴的な白ワインが生産されている。
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■ ネメア共同組合 ■
このネメア地区で最も知られた存在が「オイノポイチコス・シネタイリスモス・ネメアス(ネメア共同組合)」である。1937年に70の生産者で設立されたネメア共同組合は、現在1,000以上の生産者からなり、年間10,000トンものワインを生産している。これはギリシャの生産者のなかでも最大の規模で、ネメアV.Q.P.R.D(EUワイン法による地域指定優良ワイン:ギリシャのカテゴリーでオパプ)のワイン生産シェアを50%以上も占めるギリシャワイン界の巨人だ。ちなみにネメア地区のアギオルギティコ栽培面積は約2,700ha。これはフランス・ブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区のピノ・ノワール栽培面積に匹敵する。ネメア共同組合のワインはギリシャ人好みの正統派ギリシャワインだが、欧米を中心に世界中にも輸出され好評を博している。事実、2019年に開催された米国のワインコンクール、ロサンゼルス・インターナショナル・ワイン&スピリッツ・アワードではペリエ・ジュエのブラソン・ロゼ・ブリュットと並び、2006年物のネメア・レゼルヴァが金賞を受賞。2008年物のネメアは銀賞、2008年物のイラクリス赤も銅賞を受賞し実力の高さを示した。さらに米国のインディアナ州で開催されたインディ・インターナショナル・ワイン・コンペティションでも2007年物のネメアと2006年物のネメア・リゼルヴァが、出品された2020本のワインの中からわずか90本しか選ばれない<ダブル・ゴールド>を同時受賞。国の内外で高く評価されている。
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■ ワイン発祥の地ギリシャ ■
ヨーロッパ文明発祥の地、そしてワイン発祥の地でもあるギリシャでは、凡そ5,000年前にヨーロッパのブドウ栽培やワインの醸造技術の基本が築かれたとされている。酒神ディオニソス(バッカス)がブドウ栽培や醸造法を発明。こうしてワインがもたらされ、古代ギリシャの人々に叡智と生きる喜びを与えた。気分を高揚させ、精神を解放するワインをもたらし、古代ギリシャ人が造るワインを最大限に評価してくれるこの神を、重労働や貧困にあえぐ農民達は厚く信仰し、この根強いディオニソス信仰はヨーロッパ芸術に多大に影響を及ぼしている。東地中海にせり出した山の多い半島とエーゲ海に浮かぶ島々が変化に富んだ美しい景観を生み、紺碧の海と輝ける空、四季を通じての爽やかな要項に恵まれたギリシャは、まさに神々に祝福された風土といえる。長い歴史に加え、1年365日のうち、実に300日が晴天という温暖で湿度の低い地中海性気候と、ブドウ栽培に適した砂礫の多い土壌が、300種ものブドウ品種と結びつき、良質のワインをもたらしている。ギリシャで最も有名なワイン生産地はもちろんネメア地方であるが、アッティカ、エーゲ海諸島、クレタ島、中央ギリシャ地方、イピロス地方のズィツァ、イオニア諸島のケファロニア、マケドニア地方などでもワイン生産が盛んである。なかでもアッティカはギリシャ特産のレツィーナワインの主要産地として有名である。
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■ 各キュヴェの詳細 ■
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Hercules Myth White/ヘラクレス 白 辛口 |
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Hercules Myth Red/ヘラクレス 赤 辛口 |
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Nemea Dry Red (PDO)/ネメア 赤 PDO 辛口 |
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