HOME >> 生産者情報 >> シャトー・ジョリス(フランス/南西地方) 

↓INDEX↓
シャトーの歴史
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テロワールの特徴
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栽培・醸造
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使用品種について
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各キュヴェの詳細
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プレス記事
コンクール受賞多数
南西ワインコンクール金賞・銀賞,国際ワインチャレンジ金賞・銀賞
デカンター金賞,ブリュッセル世界コンクール銀賞


祖父は,AOCジュランソンの代表的な生産者として歴史に名を残すピエール=イヴ・ラトリーユ。父はボルドーの複数のシャトーを経営し,自らの生家(ブドウ栽培・醸造家)で当主を務めるベルトラン・ブスー。母はメドック格付第4級 シャトー・プリュレ・リシーヌの経営トップに就くリズ・ラトリーユ。生まれながらに才能を約束されたサラブレッド,クレールとカミーユ姉妹は若干20代で,AOCジュランソンでも歴史に名を残す個人経営規模最大のシャトー・ジョリスを継承した。

今日AOCジュランソンで最も大きく,ドメーヌ・コアペに対峙する規模を誇る個人経営の生産者ドメーヌ・ラトリーユはピエール=イヴ・ラトリーユPierre-Yves Latrilleによって1960年代に創業された。当時農業エンジニアだったピエール=イヴは丘陵地シャペル・ド・ルスChapelle de Rousseの個性に魅了され,そこがドメーヌの大きなポテンシャルを生み出す期待の未開地であることを確信した。当時,丘の広範囲で近隣のブドウ栽培者達によってブドウ樹が引き抜かれていたが,ピエール=イヴはそれに逆らって,1964年に彼が最も愛着を持つプティ・マンサンとグロ・マンサンをドメーヌの最初の区画に植えた。1990年代,ピエール=イヴは土地をさらに拡大し,丘の見事な傾斜を手入れするとともに,ジョリスのワインの名声を高めていった。32ヘクタールのブドウ園と,先端技術が装備され,完璧なボトリング設備が整った醸造所をもつドメーヌはジュランソンで独立した生産者の先駆けとなった。2000年代,ピエール=イヴの娘マリオン・ラトリーユMarion Latrilleが修行先から戻り参画した。父と娘は共にクオリティーの高い最先端の醸造技術をワインへ昇華させながら,非の打ちどころのない純粋で高品質なワインを造り続けてきた。その後,マリオンはプライヴェート・ブランド<シャトー・ド・ジュルクChateau de Jurque>を立ち上げ,ドメーヌに新しい活気を与えた。シャトー・ド・ジュルクはラトリーユ家に受け継がれてきた技術が詰まった10ヘクタールの素晴らしい実験農場ともなっている。マリオン・ラトリーユはそこで女性らしいエレガンスと繊細さをワインに吹き込むことに情熱を傾けた。2010年,ピエール=イヴの孫娘(マリオンの姪にあたる)クレールClaireとカミーユCamilleが修行先から戻りドメーヌに加わった。姉妹の両親※はその当時,既にボルドーのワイナリーで要職についていたため,若干20代ながらも豊かな経験と才能を携えた姉妹が,マリオン引退後の当主となった。ヴィンテージ2012以降クレールが醸造と栽培の責任者に就任,妹のカミーユがマーケティングを担当。2014年10月に他界した先代ピエール=イヴの情熱と経験とに導かれながら,家族のブドウ園の永続と,認められたワインの品質を維持するべく姉妹は共に邁進している。

生産者: ドメーヌ・ラトリーユDomaine Latrille
当主: ブスー=ラトリーユBessou-Latrille姉妹
栽培面積: シャペル・ド・ルスChapelle de Rousseの丘に広がる42ha(内32haでプティ・マンサンとグロ・マンサンを栽培)
土壌: ピレネーに囲まれた珪質粘土質
向き: 南-南西向き
平均樹齢:  45年
植樹比率: 1ヘクタール当り3,000〜4,000本


写真:故ピエール=イヴ・ラトリーユ(中央)と 孫のクレール(左)とカミーユ(右)

姉妹の経歴
●クレール
1987年5月1日リブルヌ生まれ。ボルドーの私立高校を卒業後,トゥールーズの農業技術大学卒業(2010年)。その後ボルドーの醸造学校でワイン醸造学位DNOを取得(2012年)。 チョーク・ヒル・ワイナリーChalk Hill Estate(ソノマ),シャトー・オー・ブリオンChateau Haut Brion,シャトー・ラ・ガルドChateau la Garde(ペサック・レオニャン),プレモンPlaimont(南西地方),シャトー・ラ・フルール・ド・ブアールChateau La Fleur de Bouard(ラランド・ド・ポムロール)で研鑽を積み,2010年に家業に参画し,栽培と醸造の責任者に就く。

●カミーユ
1989年2月9日リブルヌ生まれ。ボルドーの私立高校を卒業後,ナントの商業大学を卒業(2012年)。クリエーションとデザインのマーケティング修士号を取得後,香水・化粧品メーカーのゲランGuerlain,ディオールDior,ジャン=ポール・ゴルチエJP Gaultier,LVMH傘下のシャンパーニュ・ルイナールRuinartのマーケティング部門にて勤務。2010年に家業に参画し,マーケティングを担当する。


※クレールとカミーユの両親について
●父親(ベルトラン・ブスーBertrand Bessou):
ベルトランの生家が営むボルドーのヴィニョーブル・ブスーVignobles BESSOUを継承。以下シャトーのオーナー。
ヴィニョーブル・ブスーVignobles Sylvie et Bertrand BESSOU(ピュイスガン・サン・テミリオン),シャトー・デュラン・ラプラーニュChateau Durand Laplagne(ピュイスガン・サン・テミリオン),シャトー・ド・タビュトーChateau de Tabuteau(リュサック・サンテミリオン),シャトー・カップ・ド・メルルChateau Cap-De-Merle(ボルドー・シューペリュール)。

●母親(リズ・ラトリーユLise Latrille):
シャトー・ジョリスの創業者ピエール・イヴの3人娘の次女。マリオンの姉。
シャトー・フラン・メーヌChateau Franc-Mayne(サンテミリオン)の経営責任者を経て,現在はシャトー・プリウレ・リシーヌChateau Prieure Lichineの経営トップを務めている。

オンリスト先
カーヴ・ルノーCaves Renaud(パリ),レストラン・ラルティザン・ド・ラ・トリュフRestaurant l’Artisan de la Truffe(パリ),レ・クレ・ダルジョンles Cles d’Argent(南西地方・モン=ド=マルサン,ミシュラン★),ザ・フィンチThe Finch(ニューヨーク,ミシュラン★) など

南西地方のAOCジュランソンは,ピレネー・アトランティック県,県庁所在地ポー市の南部に位置する25コミューン,1,100haに広がる。ジュランソンの中心地シャペル・ド・ルスChapelle de Rousseの素晴らしい丘陵地にドメーヌ・ラトリーユのブドウ園が広がる。見事な傾斜に広がるブドウ園は,ピレネーに囲まれたジュランソンの典型的な珪酸を含む粘土質。ピレネー山脈が形成される時にもたらされた氷河期に堆積した丸い石を含む。気候は緩やかな海洋性気候に分類され,ピレネー山脈の影響を受ける。春霜のリスクを抑えるため,この地方の伝統的な仕立て方法である“オータンHautain”と呼ばれる長梢剪定をする(写真下)。ブドウ樹を高く仕立て,葉の茂りを均等に広げる。日照を最大にし風通しを良くすることで腐敗を防ぐと同時に,白ワインにアロマの豊かさを与える重要な役割も担っている。ブドウの枝は高いところで2mまで伸びる。年中通して均質な降雨量。雨量が上がっても自然に排水する土壌組成のため,問題なくブドウの生長が保証されている。また,温暖な晩秋(インディアン・サマーete indien)と,暖かく乾いた風をもたらすフェーン現象により,ブドウがパスリヤージュ(樹上で過熟)され,自然の糖度が高まった過熟果を実らすことが出来る。


発芽時の霜のリスクを抑えるため
ジュランソンでは木を高く仕立てる
“オータンHautain”と呼ばれる
長梢剪定が行われる。
写真→


栽培について
リュット・レゾネ栽培を実施。ビオロジック,ビオディナミに則った栽培方法の導入を検討している。耕転は年に2度,土壌の浸食を抑えるために,下草を傷つけないよう鍬で15cmの深さまで掘り返す。続いてアンテルセップintercep(垣根の列の木々の間の耕作)を実施。畝の間には下草を生やし,ブドウ園のごく一部を除いて化学肥料と除草剤は使用せず,馬の堆肥などオーガニック肥料を使用。仕立てはギヨ・ドゥーブルで,前述のオータンと呼ばれる長梢剪定。ロニャージュ(夏季剪定)は樹勢を抑えるために甘口ワイン用のブドウには実施するが,辛口用のブドウはアロマのフレッシュさを残すためにほとんど行わない。収穫は100%手摘み,収穫したブドウは選果台で丁寧に選別される。

醸造について
シャトーの醸造哲学「プティ・マンサンとグロ・マンサンのヴァラエティー豊かなアロマの表現。」を実現するため,バリックの使用を極力避け,使う場合も樽感がワインに溶け込むように注意を払う。この哲学を守り続けることが,ワイン初心者から経験知識の豊かなアマチュアにまで近づき易いワイン造りを可能としている。ワインは熟成するにつれ,より複雑味を増し,シャトーの栽培から醸造までのテクニックが明らかになる。



写真:樽はフランス産のオリオン,スガン・モロー,ルモン社製 焼きはミディアム

プティ・マンサンとグロ・マンサンを主体(50%以上)に辛口と半辛口の白を造る。補助品種カマラレ・ド・ラスーブCamaralet de Lasseube,クルビュCourbu,プティ・クルビュPetit Courbu,ローゼLauzet。単一または複数品種の混醸。補助品種のみは不可。甘口は過熟したブドウから造る,残糖35g/L以上と規定される。デクレ(1996年5月10日付)でプティ・マンサンとグロ・マンサンのみの使用に限り,“ヴァンダンジュ・タルディーヴのVendanges Tardives”の表記が認められた。プティ・マンサンもグロ・マンサンも厚い果皮をもつため,貴腐菌への耐性が非常に強い。似ているがそれぞれ異なる特徴をもつ。

■プティ・マンサン:
甘口白ワイン用の代表品種,プティ・マンサンは成熟した時の果実の糖度がとても高く,同時に非常に高い酸も保持する。豊かなアロマをもつ高貴な品種で,桃や柑橘,シナモン,西洋カリンをはじめ,マンゴーやパッション・フルーツ,パイナップルのエキゾチック・フルーツのノートが現れる。

■グロ・マンサン:
主に辛口ワインに用いられる。樹勢が強く非常に高い酸を持つ。高いアルコール度数が得られ,格別なエレガントさがワインに付与される。カリン,アプリコット,フローラルの備わったアロマティックで魅力的な味わいが生まれる。ドメーヌのブドウ園が位置する土壌やクリマに特に適している。



写真:いずれもプティ・マンサン。右はパスリヤージュされた過熟果。
Chateau Jolys AOC Jurancon Sec, Blanc                       
/シャトー・ジョリス AOCジュランソン 白(辛口) 2014 ==>> 詳細はこちら
Chateau Jolys AOC Jurancon Doux, Blanc
/シャトー・ジョリス AOCジュランソン 白(甘口) 2013 ==>> 詳細はこちら

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