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◆シャトーの概要◆
1580年ボルドー市の教会司祭アンリ・ダルシュHenry d’Archeにより創業。当初から既にソーテルヌで最も著名なワインとして名声を博していた。1789年のフランス革命の間、シャトーは国有化され、1855年にはグラン・クリュ・クラッセの2級に格付けされた。その後、所有者が幾度か代わり、シャトー・ラ・ラギューヌをはじめ、シャトー・ラフォリ・ペイラゲのオーナーなどが所有し、シャトー・ダルシュ=ラフォリ=ペイラゲChateau d’Arche-Lafaurie-Peyragueyという名でも知られた。丘の頂に建てられたシャトーからは、著名なイケムやギローが見渡せ、南北を軸にして広がるブドウ園では最大限の日照を得ることが出来る。周りをシャトー・ディケム、シャトー・ギロー、シャトー・ラ・トゥール・ブランシュに囲まれ、イケムの畑とは細い道一本挟んだ隣に位置する素晴らしい立地にある。
シャトー・ダルシュは、2002年に、ソーテルヌでワイン・ツーリズムの先駆けとなるホテルを開業し、2017年にはソーテルヌの熟成樽を使用したスピリッツもリリースを開始した。そして2019年には環境に配慮したモダンなセラーに改装。そして2021年AB認証転換をはじめる(2024年認定予定)など、常に進化し続ける、クリュ・クラッセに期待されるクオリティーを凌ぐワインの造り手として、近年さらにその評価を伸ばし続けている。
栽培面積: | 70ha |
植樹率: | 6,600本/ha |
平均収量: | 17hl/ha |
年産本数: | 10万本 |
栽培品種(比率): | セミヨン(90%)、ソーヴィニョン(ブラン・グリ)とミュスカデル(10%)。 |
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◆土壌と栽培について◆
土壌:
2000万年前のブルディガラ期にはソーテルヌから4キロ離れた場所には海が広がり、ワニや象が生息する海岸の土地であった。かつてのソーテルヌでは、塩水とともに固有の生態系が発展していった。それゆえ今日でも珊瑚礁や貝殻が出土する事が珍しくない。
土壌は主に粘土質と石灰質で、標高85mの丘の頂上は砂利70%、斜面は粘土20%、裾地は泥質の沖積土10%で構成される。様々な土壌が入り組んでいる特別な状況が、豊潤で特別な味のワインを作り上げている。砂利はワインに余韻の長さ、粘土質はアロマを、そして石灰は繊細さをもたらし、土壌の多様性が、特徴と個性をもった格別な味わいの品質を実現する。
栽培:ブドウ畑は主に、ボルドーから南へ30キロ、ブドウ畑の特徴はガロンヌ川沿いからシロン川に亘っている。水温の低いシロン川の水と水温の高いガロンヌ川の水が交わり、夏の終わり頃から朝霧が発生し、適度な湿気が発生する。地形ははっきりしており、水捌けがよく、10mの深さまで伸びるブドウの根に、水分や栄養素が十分に行き渡る。大雨や酷暑によって起こる干ばつから守られた、川辺に近い良い環境で、霜のリスクも少ない。
栽培は、ブドウの樹勢を制御するため厳格な方法で行う。冷涼な夜が明け午前中に霧がたちこめ、日中晴れて乾燥した日が続くと、ブドウに貴腐菌(ボトリティス菌)が付着し果皮に穴を開ける。そこからブドウの水分が蒸発し、果実の糖度と酸が凝縮する。元来薄い果皮をもつセミヨンは特に貴腐菌が侵食しやすく、糖度が凝縮されるとシトラスやエキゾチックなフルーツ、シュガーコーティングされた果物のアロマが引き出される。ソーヴィニョン(グリとブラン)と、ミュスカデルをブレンドすると格別にアロマティックな幅がもたらされる。
ブドウ樹の平均樹齢は45年、樹齢100年超に及ぶものもある。高品質なワインにブドウ樹の樹齢は非常に重要である。2016年以降はブドウ園の再構築を行い、樹齢100年以上の区画をいくつか保持するのと並行し、平均樹齢を若くする目的で植え替えも適宜実施している。古木は実りは少ないが、非常に凝縮され、リッチで甘く、アロマティックなマティエールが備わっている。また、ボトリティス菌は果房の密度が低いほうが付着・発展しやすく、それによって最高品質のボトリティスの影響が約束される。
栽培方法は、ボトリティスを効果的に機能させる為に必要不可欠な、生物多様性を重視したリュット・レゾネ栽培に則っている。2011年には環境マネンジメントシステムのISO14001を、そして2019年にはHVE認証レベル3を取得。2024年にはAB認証を取得の予定。ブドウの摘葉から収穫もすべて手摘みで行われ、必ずしも均一ではない貴腐ブドウの選果と、実が果梗に付いた全房の状態で摘み取る。ボトリティスの繁殖がピークに達したタイミングでのみ行うため、最低でも4〜5回に分けて行う。こうした地道で丁寧な作業により、アロマが凝縮した最高レベルの品質を供えたブドウが確保できる。偉大なヴィンテージを生み出す為に、非常に重要なことは収穫だからだ。ソーテルヌの生産本数は最大3,333本/haとされ、世界で生産量が最も少ないアペラシオンの一つである。それにもかかわらず、シャトー・ダルシュでは厳選したブドウにこだわり、平均約2,000本/haしか生産していない。
環境マネンジメントシステムISO14001
2011年に環境マネンジメントシステムのISO14001取得。早い時期から、持続可能な農業の実践に取り組んできた。地球環境とエコシステムに対して最大限の配慮をもってブドウ栽培をしている。環境への影響力を減らすため、除草剤は不使用、有機肥料を使用し、幾つかの植物やバクテリア菌類をブドウ園で共生させる。常に革新を図り続けて取得したこの認証は、過去10年以上遡ってシャトー・ダルシュのブドウ園が健康的な環境であることを証明している。
HVE(Haute Valeur environnementale)認証レベル3
環境、害虫対策、土壌の肥沃化に関する要請を遵守し、2019年にHVE認証レベル3を取得。ブドウ園の耕作のうち、20%が馬によって行われている。動物による耕作は、トラクターと比べて土壌を固めてしまうのを防ぎ、土壌内に空気を含ませエコシステムの発達を促進する。傾斜地では、雨水の流出を減らすことができる。
AB認証転換中(2024年認定予定)
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◆各キュヴェの詳細◆
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A d'Arche, AOC Bordeaux, Blanc/Aダルシュ 白 辛口 (AOCボルドー)2015
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A d'Arche, AOC Graves, Rouge/Aダルシュ 赤 辛口 (AOCグラーヴ)2014
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Perle d'Arche, Second vin, AOC Sauternes, Blanc/ぺルル・ダルシュ 白 甘口 (AOCソーテルヌ)2018
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Chateau d'Arche, Grand Cru Classe, AOC Sauternes, Blanc /シャトー・ダルシュ 白 甘口(AOCソーテルヌ グラン・クリュ)2018
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