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フランスのピノ・ノワールのクローンには、現在35種類以上のクローンが存在し、国によって認可された後、番号が与えられています。
しかし、ピノ・ノワールは外観の「大きさ」によって、まず「グロ/Gros(大)」、「モワイヤン/Moyen(中)」、「ファン/Fin(小)」の3つに大きく分けることができます。
「グロ/Gros(大)」に属する大粒のピノ・ノワールのクローン群には、No. 666、668、665、292、388、389、665、870、871などがあります。これらはシャンパーニュなどスパークリング・ワインの生産に適した多収量のクローンです。
「モワイヤン/Moyen(中)」に属する中粒のクローン群には、No. 375、459、521、523、743、618、779、927などがあります。このモワイヤン/Moyen(中)のクローンは、グロ/Gros(大)のクローン群より収量が低く、果粒も小さくなります。これらは、ACブルゴーニュ・クラスのワイン造りに適した品種です。
「ファン/Fin(小)」に属する小粒のピノ・ノワールは、俗に「ピノ・ファン」と呼ばれるクローンです。3つのクローン群のなかで最も収量が小さく、果粒も小さくなります。これには、クローンNo. 111、112、113、114、115、165、495、667、777、828、943などがあります。
ギョームの畑には、このピノ・ファンよりもさらに小粒な「トレ・ファン/Tres Fin(極小)」に属するクローン群が存在します。これらのクローンの収量は大変低く、通常に栽培しても1ヘクタールあたり35ヘクトリットルを超えることはありません。ブルゴーニュのグラン・クリュの畑に適したクローンと言えます。ブルゴーニュでも1950年代以前にはこのような極小粒のクローンが栽培されていましたが、収量が少ないことから生産性を追及する60-70年代には省みられることがなくなり、今ではほとんど栽培する人はいなくなってしまいました。しかし、苗木家であるギョームの畑には、この「トレ・ファン/Tres Fin(極小)」の歴史的なクローンがずっと栽培され、その遺伝子形質が大切に守り続けられてきたのです。
この「トレ・ファン/Tres Fin(極小)」のクローンは、コレクション・レゼルヴェが生まれる単一畑で栽培され、コレクション・レゼルヴェにアッサンブラージュされています。
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↓グロ(大)↓ |
↓モワイヤン(中)↓ |
↓ファン(小)↓ |
↓トレ・ファン(極小)↓ |
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↓コレクション・レゼルヴェの醸造に使用される「ピノ・ファン」と「ピノ・トレ・ファン」が栽培される単一区画。
標高300メートルに位置するが、地平線の先までさえぎるものがなく、
ずば抜けた日照を享受する傑出したミクロクリマの単一畑↓ |
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(左)コレクション・レゼルヴェ 赤の醸造に使われる円錐形の木製の発酵槽
(右)剪定された単一畑のブドウ樹 |
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