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台木には、北米起源の3品種(ヴィティス・リパリア/Vitis Riparia、ヴィティス・ルペストリス/Vitis Rupestris、ヴィティス・ベルランディエリ/Vitis Berlandieri)と、ヨーロッパ起源のヴィティス・ヴィニフェラとの交配により生み出された以下の図のような11品種がある。
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ペピニエール・ギョームの解説による11品種の台木の特性
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ヴィティス・リパリアに属する品種
リパリア・グロワール/Riparia Gloire
樹勢はあまり強くない。根が匍匐(横に伸びる)しやすい。肥沃で涼しく、深度のある土壌にしか適さない。樹勢が弱いため、そのような土壌であればブドウの良好な成熟が可能になる。地中の活性石灰に対する耐性率6%。
ヴィティス・リパリアとヴィティス・ルペストリスの交配品種
101.14
成育の速度はリパリア・グロワールに酷似してるが、樹勢が強い。湿気が多い土壌にも良くなじみ、ゆっくりと乾燥させていく。土中の活性石灰に対する耐性率9%。
3309
気候の不順に対して上部だが、樹勢は平均的。乾燥の危険がない良質の土壌に良く適合する。穂木をしっかり成熟させるため、高級ワイン造りに必要な良質の要素の1つとみなされている。土中の活性石灰に対する耐性率11%。
ヴィティス・リパリアとヴィティス・ベルランディエリの交配品種
420A
樹勢が控えめであるため、<Riparia des terres calcaires/リパリア・デ・テール・カルケール・石灰土壌のリパリア>と呼ばれている。痩せた土壌ではすぐに枯れてしまうので、絶対現金。土中の活性石灰に対する耐性率20%。
161.49
異状樹脂分泌病に対する敏感さから一時期見捨てられていたが、場合によっては、その他の台木には不可能な最上の結果が得られる。結実を促し、樹勢は限られている。グラン・クリュ向きの台木。土中の活性石灰に対する耐性率25%。
5BB
良好な樹勢。古くなって引き抜いたブドウ樹の代替として、畑や区画の一部に植樹する場合に最適。土中の活性石灰に対する耐性率20%。
5C
5BBよりは樹勢が弱く、比較的早く育つ。丘の斜面上部などの痩せた土壌に非常にうまく適合する。土中の活性石灰に対する耐性率20%。
RSB1
平均的な樹勢。ブドウに豊かな糖度を与えてくれる。乾燥に強く、過剰な湿気に対しても耐性がある。土中の活性石灰に対する耐性率20%。
SO4
良好な樹勢。様々な土壌に適合する。結実を促し、早く育つ。土中の活性石灰に対する耐性率18%。
ヴィティス・ルペストリスに属する品種
ルペストリス・デュ・ロット/Rupestris du Lot
樹勢が強いため、花ぶるいを起こす特定の品種に向いている。湿気のある土壌には危険。土中の活性石灰に対する耐性率14%。
ヴィティス・ベルランディエリとヴィティス・ルペストリスの交配品種
99Richter
根が匍匐(横に伸びる)しやすい。樹勢は平均から強め。乾燥に対する耐性が110Richterより低いため、使用頻度が低くなっている。土中の活性石灰に対する耐性率17%。
110Richter
乾燥に対して非常に高い耐性がある。粘土石灰質で密度の高く、深度があまりない土壌に良く適合する。中庸な樹勢で、結実を促進し、地中海沿岸の地域での良好なブドウの熟成を可能にしてくれる。土中の活性石灰に対する耐性率17%。
140Ruggieri
気候の不順に対して非常に上部で、傑出した樹勢。乾燥して痩せた石灰質の土壌において素晴らしい結果を出す。湿気が多い土壌には向かない。ブドウの成長サイクル全体を少し長くする傾向にある。土中の活性石灰に対する耐性率20%。
1103Paulsen
強い樹勢で、鮮度石灰質の土壌に良く適合する。乾燥にも湿気にも抵抗力がある。乾燥にはしっかりとした耐塩性がある。土中の活性石灰に対する耐性率19%。
ヴィティス・ベルランディエリとヴィティス・ヴィニフェラの交配品種
41B
石灰土壌の台木。結実力が良好だが、熟成を少し遅らせる傾向にある。乾燥にはしっかりとした耐性があるが、湿気には抵抗力がない。土中の活性石灰に対する耐性率40%。
FERCAL
萎黄(イオウ)病に対し、非常に耐性がある。樹勢が強く、しっかりとした熟成を促す。マグネシウムの欠乏に対し非常に敏感。土中の活性石灰に対する耐性率40%。
ヴィティス・リパリアとヴィティス・ルペストリスとヴィティス・ベルランディエリの交配品種
GRAVESAC
3309と161.49の交配に由来する品種。樹勢が強く、質の高い台木。砂質や砂利質の土壌に非常に良く適合する。土中の活性石灰に対する耐性率25%。
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