|
全ては亡きドゥニ・モルテの一言から始まった。長年ドゥニ・モルテのワインを購入し続けていた無類のワイン愛好家Gereard Constantジェラール・コンスタンとDenise Duquesnoyドゥニーズ・デュケノワ夫妻は、ワイン好きが高じて2004年にベルギーからローヌに移住。2005ヴィンテージからAOCに昇格したヴァンソブルでワイン造りを始めた。翌年、師と仰ぎ、家族ぐるみの友人であるドゥニ・モルテを訪れ、初めて手掛けた2004年物を彼に試飲させると、ドゥニ・モルテは「私のバリックを提供するから、それで熟成させたらどうか?」と提案してくれたのである。以来、コンスタン・デユケノワ夫妻はドゥニ・モルテのフラッグシップの1つである<ラヴォー・サン・ジャック>の熟成に使われたフランソワ・フレール社製のバリックで自身のワインを熟成させ、今は亡き不世出のスーパースターの魂を継承し続けている。
また、パーカーポイント100点満点を4度獲得したシャトーヌフ・デュ・パプのクロ・サン・ジャンを筆頭に、100点満点2回のレ・カイユ、1回のクロ・デュ・カイユ、同じく1回のサン・プレフェなど、南ローヌを本拠に40以上のドメーヌをコンサルタントしている「パーカーポイント1200点満点」の天才醸造家フィリップ・カンビをコンサルタントに招聘。同時にアルザスのルネ・ミュレの指導を受けてバイオダイナミック農法にも取り組み始め、ドメーヌは短期間で劇的進化を遂げた。その必然的帰結がこの論評だ。パーカーポイント95点は同ヴィンテージのギガル、シャーヴ、シャプティエ、グラムノンを越える圧倒的評価である。パーカーは「真の超大作!目の覚めるようなワイン造りの成果!」と激賞している。
|
|
*ドメーヌの概要*
ドメーヌ・コンスタン・デュケノワは2004年7月に創設されたヴァンソブルの新興ドメーヌ。ジェラール・コンスタンは20年以上も前からワインに魅了されていたベルギーの愛好家で、金融マンとして世界中を飛び回っていたがワイン造りへの夢が捨てきれず、長年の夢を実現させるために夫人であるドゥニーズ・デュケノワと共にローヌに移住してドメーヌを興した。
ジェラールは金融マン時代、ヨーロッパや北米への海外出張の際には必ず現地のワイナリーを訪れて見聞を広め、また、フランスでもアルザスやシャンパーニュ、ブルゴーニュ、コート・デュ・ローヌのドメーヌを訪問。特にローヌでは、ドメーヌ・デュ・ヴュー・テレグラフ(シャトーヌフ・デュ・パプ)、ドメーヌ・ド・ラ・モナルディエール(ヴァケラス)、ドメーヌ・ド・ロラトワール・サン・マルタン(ケランヌ)など、隣接するアペラションを代表するドメーヌを訪れ、直接造り手から話を聞き、自身のドメーヌを創設する場所を検討した。
ドメーヌはドローム県のヴァンソブルの村の南、ニヨン寄りに位置する。ドメーヌの起源は100年以上前に創設されたDomaine Les Aussellonsドメーヌ・レ・ゾスロンの葡萄畑に由来する。ドメーヌ・レ・ゾスロンはVilledieuヴィルデューとVinsobreヴァンソブルの村に合計25ヘクタールの畑を所有していたが、自宅があるヴィルデューにある畑をのみを残し、Vinsobreヴァンソブルにある12ヘクタールの畑を売りに出していた。それをジェラール・コンスタンが購入した。学生時代にプイィ・フュイッセのドメーヌで働いた経験があるが、大学では(夫人のドゥニーズ・デュケノワとはそこで知り合った)経済学を専攻していたため、ドメーヌ創設の前にシュズ・ラ・リュスのワイン大学で栽培学と醸造学を修めた。その後、友人であるドゥニ・モルテとその家族、マルセル・ギガルの息子のフィリップ・ギガル、アルザスのルネ・ミュレと深く交流し、ワイン造りを究めていった。
|
|
*ドメーヌの畑とテロワールについて*
畑は松林に囲まれた10ヘクタールと5ヘクタールの区画に分かれている。松林の自然の防壁がミストラルを和らげ、葡萄畑を守る働きをしている。土壌は砂利が混じった粘土石灰質。非常に砂利が多く、活性石灰の割合が高く、ペーハーは8.2に達するアルカリ性。標高は250〜400メートル。傾斜は20度。3/4の葡萄畑が丘陵の斜面に段々畑状に栽培されている。向きはほぼ全ての区画が南東で、標高と傾斜の関係で、葡萄の生育期に最良の太陽の光を受ける条件が整っている。
ヴァンソブルの年間平均降水量は790ミリメートル(ニューデリーの年間平均降水量と同じ)。葡萄の生育期である4〜9月までの間は390ミリメートルの降水量しかない。水が欠乏するため、必然的に葡萄樹は水分を求めて地中深く根を伸ばし、地中のミネラルや養分を吸収する。7〜9月にかけては気温が30度を越える日が月平均27日もある。この気候のおかげで、ヴァンソブルでは灰色カビ病やベト病が発生することが殆どない。
葡萄樹の平均樹齢は30年。黒葡萄のみが栽培され、65%がグルナッシュ、35%がシラー。葡萄畑には、樹齢の若い12年のものから、樹齢54年に達する(1956年の甚大な霜害の後に植樹された)ものまで、様々な樹齢の葡萄樹が平均的に植えられている。また葡萄畑と同じ丘陵には、多種多様の植物が自生しており、美しさ景観を作るととともに、植物の多様性を保証している。
栽培に関しては、現在はリュット・レゾネだが、3年以内に有機栽培に移行する計画。また、バイオダイナミックの手法にも関心を持ち、調剤などの一部は既に導入している。バイオダイナミックのコンサルタントであるジャック・メル(*)に指導も仰ぎ、同じジャック・メルに指導を受けているラストーのグール・ド・モータン(ジェローム・ブレッシー)、ケランヌのマルセル・リショーが加盟するバイオダイナミックのグループの集まりにも定期的に参加し、バイオダイナミックに関して研鑽を積んでいる。ドメーヌが日々の仕事において実践している哲学は、「ワイン造りは何よりも葡萄樹を育て、手入れするということから始まる。葡萄が果物であることを忘れてはならない。ヴァンソブルの傑出したテロワールを忠実に表現する。」ということ。
*ジャック・メル:マルセル・ラピエール、クロ・デュ・カイユ、ロシニョール・トラペ、ベレッシュ、レイモン・ブラール、ベリヴィエールなどから絶大な信頼を受けているバイオダイナミック農法のコンサルタント。
また、植物や羊糞の堆肥を使用し、トラクターを使って年に5回中耕除草(固まってしまった土を浅く耕して、土をやわらかく保つ作業)を行なっている。除草を行なう際は、除草剤は全く使用せず、インターセップと呼ばれる機械(畝の間を通り、地中の草の根を切断するトラクターに似た機械)を使って草を取り除いている。しかし、幾つかの区画では、下草を生やし、葡萄樹が草と競合するように促し、収量をコントロールしている。また、全ての区画で芽かきを行なっている。摘芯は、専用の機械を用いて、全ての区画で行なっている。葡萄が良く熟成するように、また灰色カビ病の発生を避けるために、除葉はすべての畑で行なう。平均して約半分の葉を取り除く。収穫時には1株につき平均6房の葡萄が残るようにしている。収量は25ヘクトリットルという低さに抑え、ドメーヌの傑出したテロワールを忠実に表現することを目指している。
|
|
*キュヴェの詳細*
|
|
Vinsobre AOC, Rouge/ヴァンソブル 赤
==>> 詳細はこちら |
|
Confidence AOC Vinsobre, Rouge
/コンフィダンス(ヴァンソブル) 赤
==>> 詳細はこちら |
|
In Fine AOC Vinsobre, Rouge/イン・ファイン(ヴァンソブル) 赤
==>> 詳細はこちら |
|
|