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ピノ・ノワールのワインを造ることは、長年のマリオネの夢でした。1997年、ブルゴーニュの生産者からブドウを購入し、一度だけ醸造を試みましたが、完全な失敗に終わってしまいました。しかし、2007年に再びチャンスが訪れました。ムルソーに本拠を置くドメーヌ・ルージョ/Domaine Rougeotからピノ・ノワールのブドウを購入できることになったのです。
ブドウはムルソーの村にあるACブルゴーニュ指定区域内の区画で栽培されたもの。2,450キロのブドウを冷蔵トラックでトゥーレーヌのマリオネのセラーまで運び、房ではなく、粒選りで徹底的に選果。ブルゴーニュの醸造法とはまったく異なるマリオネ独自の方法で醸造が行われました。
2007年のブルゴーニュは難しいヴィンテージでしたが、徹底的な選果によって、凝縮して色調も濃く、リッチ(アルコール度数14度)ですばらしいピノ・ノワールが誕生しました。ロワールで醸造されたため、ラベル上の表記はヴァン・ド・ターブルで、ヴィンテージの表記もありませんが、バック・ラベルに記載された以下の説明がこのワインの由来を雄弁に物語っています。
幸いなことに、2005年の再来と呼ばれる超当たり年の2009年物でも、ムルソーのドメーヌ・ルージョとのコラボレーションが実現。2007年物に続き、再びバタール・ド・マリオネが醸造されたのです。<トゥーレーヌの巨人>アンリ・マリオネが、ワイン人生の総決算として挑んだピノ・ノワールの醸造。その真髄をぜひともご堪能下さい。
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*バック・ラベルに記載されたコメント
「ル・バタール・ド・マリオネの信じられない歴史は、アンリ・マリオネ、マルク・ルージョ、そしてジャン=リュック・ロシェの3人の情熱から生まれました。このワインは、コート・ドールのムルソーのコミューンに位置するピノ・ノワールの区画に由来しています。区画は、ムルソーの著名な生産者マルク・ルージョが所有するものです。ブドウは、2009年9月17日に小さな籠を使って丁寧に摘み取り、アンリ・マリオネのドメーヌまで運ばれ、そこでまったくオリジナルな、今までこの品種に使われたことのない方法で醸造されました。ブドウの高貴な出生を掲げることはできませんが、これはすばらしい私生児です。」
ラベル・デザインについて
高貴な出生のピノ・ノワール(ラベルの絵のような貴族の女性)とマリオネ(ラベルの絵のような下僕。つまりブルゴーニュのような高名な場所でワイン造りをしていない、いわばしたの身分のもの)から誕生した「私生児」が、このワインであるということを示しています。
※注:ブルゴーニュ産のブドウが100%使われていますが、ブルゴーニュではなくロワールで醸造されたため(原産地域内で醸造されなければAOCを名乗れない)、カテゴリーはヴァン・ド・ターブルで、ヴィンテージ表記もありません(ヴァン・ド・ターブルにはヴィンテージを表記することが禁じられている)。
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