HOME >> 生産者情報 >> ドメーヌ・ジャン・パスカル・エ・フィス(フランス/ブルゴーニュ地方) 
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ドメーヌの歴史と概要
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栽培と醸造
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各キュヴェの詳細
 万人が認めるシャルドネの聖地、ピュリニー・モンラッシェ。実は、ここにはACピュリニー・モンラッシェを名乗れるピノ・ノワール100%の赤ワインが存在する。これは、20年前に発売されたロバート・パーカーの『ブルゴーニュ』のなかでも言及されていた。しかし、栽培する蔵元は今や数件に限られ、生産量も年々減少している。ドメーヌ・ジャン・パスカル・エ・フィスは、その残された数件の1つだ。しかも、ドメーヌのピュリニー・モンラッシェ 赤は、フランスのブルゴーニュ・ワイン専門誌『ブルゴーニュ・オージュルデュイ』が刊行するガイドでも、唯一毎年のように取り上げられ、品質面でも優良であることが実証されている。

 創設は1955年。ピュリニーで4世代続くドメーヌだが、ブドウ栽培と並行して苗木商を営み、ブルゴーニュをメインに実に250以上の蔵元と取引がある。ドメーヌ・ルフレーヴ、ソゼ、ミシュロ、シャヴィ、ブーズロー、ラモネなど、ピュリニー・モンラッシェ、ムルソー、シャサーニュ・モンラッシェの超一流ドメーヌなども顧客に名を連ねているから驚きだ。

 また、1960年代からドメーヌ元詰めを行っているが、今でも約2割のブドウをエティエンヌ・ソゼやルフレーヴといったネゴシアンに提供しており、手がけるブドウに関しても著名ネゴシアンから一目置かれている存在である。特にピュリニー・モンラッシェの赤は、ワイン通であれば一度は味わっておきたい必須ワイン。2015年6月に掲載されたワイン・アドヴォケイトでは、ニール・マーティンが『この2013年物のピュリニー・モンラッシェ赤をたまたま見つけるまで、ピュリニー・モンラッシェ赤を造っているのはジャン・シャルトロンだけだと思っていた。』とコメントしている。

◆ドメーヌの歴史と概要◆

 ドメーヌの歴史は1920年に現当主の祖父がピュリニー・モンラッシェに定住したことから始まる。その後、息子のジャン・パスカル/Jean PASCALが1955年にドメーヌを創設。1960年代から元詰めワインの販売を開始した。1975年に現当主のジャン・リュック/Jean-Lucがドメーヌに参画すると、ドメーヌをドメーヌ・ジャン・パスカル・エ・フィス/Domaine Jean Pascal et Filsと法人組織化。その後は、小さな区画を少しずつ買い足しながら規模を広げていった。現在、ドメーヌが所有する畑は16ヘクタールあまり。

 一方、ドメーヌはブドウ栽培・ワイン醸造と並行して1975年から苗木商も営んでおり、現在、年間40万本の苗木を栽培している。約250軒を超える蔵元と取引があり、その9割がブルゴーニュで、ドメーヌ・ルフレーヴ、エティエンヌ・ソゼ、ジャン・ルイ・シャヴィ、ドメーヌ・ミシュロ、ユベール・ブーズロー、フィリップ・ブーズロー、マロスラヴァック・レジェ、ジョセフ・ヴォワイヨ、ドメーヌ・ロラン、ドメーヌ・ブジコといった一流ドメーヌが顧客に名を連ねている。

 現在は、ジャン・リュックの息子のヤン/Yannと妻のAlexandra アレクサンドラがドメーヌを運営している。ワインの醸造は2002ヴィンテージ以降、アレクサンドラが担当している。アレクサンドラはボーヌの醸造学校でブドウ栽培と醸造の免状を取得した後、ブルゴーニュのいくつかのドメーヌで研鑽を積んだが、たまたま、ドメーヌ・ジャン・パスカルでの修行中にヤンと知り合い、結婚。そのまま家業に参画して現在に至った。なお、ドメーヌでは現在でも総収穫量の約20%のブドウをエティエンヌ・ソゼやオリヴィエ・ルフレーヴなどのネゴシアンに売却している。

 一族で経営するドメーヌ・ジャン・パスカル・エ・フィスとは別に、ヤンとアレクサンドラはドメーヌ・ジョゼフ・パスカルを立ち上げた。


◆栽培と醸造について◆

 ドメーヌではリュット・レゾネを実践。ドメーヌのすべての畑で、年間4回の耕耘を行う。これは、畝の間の雑草を取り除き、雑草が吸収してしまう地中の養分やミネラルをブドウ樹が吸収しやすくするようにすること。そして、地表近くに伸びてしまうブドウ樹の根を切断することによってブドウの根が地中深く伸びるように誘引し、ブドウ樹が深土の養分やミネラルを吸収して、ワインに最大限のテロワールが現れるようにするという目的がある。植樹比率は1ヘクタールあたり1万本。剪定方式はグィヨ式。収量制限は厳格な芽かきで調整する。また、すべての区画でグリーン・ハーヴェストを行い、収穫じに1株に最大でも6房のブドウしか残らないようにしている。

 ドメーヌには苗木部門をあわせて現在7名のフル・タイムの従業員がいる。すべてのブドウは手摘みで収穫される。白ワインは破砕した後、ダイレクト・プレス。24-36時間の前清澄を行ってからバリックに移して、樽発酵・樽熟成させる。熟成期間は12ヶ月。熟成はシュール・リーの状態で行い、定期的にバトナージュを実施。マロラクティック発酵は行う。深樽比率はヴィンテージやキュヴェに応じて15-25%。清澄は行わず、ごく軽く濾過して瓶詰め。赤ワインは、完全に除梗した後、温度管理機能付きのセメント・タンクに入れ、発酵に先立ち3-6日間の低温マセレーションを施す。その後、アルコール発酵を行う。発酵期間は約10日間。発酵温度は最大で35度。発酵終了後、圧搾してバリックに移し、マロラクティック発酵と熟成を行う。熟成期間は10ヶ月。新樽比率はヴィンテージやキュヴェに応じて5-15%。無清澄で軽く濾過を施して瓶詰め。ドメーヌの醸造コンサルタントは1992年から、オリヴィエ・ルフレーヴ、ドメーヌ・ルフレーヴ、ドメーヌ・ソゼなどの醸造コンサルタントも務めるキリアコス・キニゴプロス。

 

◆各キュヴェの詳細◆
Puligny-Montrachet AOC, Blanc
/ピュリニー・モンラッシェ 白 ==>> 詳細はこちら
Bourgogne Cote d'or Chardonnay AOC, Blanc
/ブルゴーニュ・コート・ドール シャルドネ 白 ==>> 詳細はこちら
Puligny Montrachet 1er cru Les Folatieres AOC, Blanc
/ピュリニー・モンラッシェ レ・フォラティエール 一級 白
Puligny Montrachet 1er cru Hameau de Blagny AOC, Blanc
/ピュリニー・モンラッシェ アモー・ド・ブラニー 1級 白
Volnay AOC, Rouge/ヴォルネィ 赤
Volnay 1er Cru Les Cailleurets AOC, Rouge
/ヴォルネィ レ・カイユレ 1級 赤 ==>> 詳細はこちら
Puligny-Montrachet AOC, Rouge
/ピュリニー・モンラッシェ 赤 ==>> 詳細はこちら
Bourgogne Cote d'or Pinot Noir AOC, Rouge
/ブルゴーニュ・コート・ドール ピノ・ノワール 赤 ==>> 詳細はこちら
Blagny 1er cru Sous Le Puits AOC, Rouge
/ブラニー スー・ル・ピュイ 1級 赤 ==>> 詳細はこちら

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