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モンタルチーノの聖地、サンタ・レスティトゥータ。
このサンタ・レスティトゥータの地で、しかも巨人カーゼ・バッセとアンジェロ・ガヤの間に畑を購入し、ワイン造りを始めたのが、今やモンタルチーノの超高級ブティック・ワイナリーとして知られるマテMateである。
マテの創設は1998年。当主のフェレンク・マテFerenc Mateは1945年にハンガリーで生まれ、カナダのブリティッシュ・コロンビアで育った。写真家であり船乗り、また、『トスカーナの丘 The Hills of Tuscany』や『A Vineyard in Tuscany』、帆船に関する著作で知られる作家でもある。ヨットをこよなく愛するフェレンクは拠点をニューヨークに置きながら、3年間ヨットで生活し、カリフォルニア、ニューヨーク、パリ、そしてローマなど世界中を転々と巡った。1つの土地に定着した生活には縁遠かったフェレンクだが、80年代初頭に1年間過ごしたフランスでの経験が、彼の人生を思わぬ方向に導くことになった。
自然と歴史、そしてワインが大好きなフェレンクと、妻のキャンディスは、毎週末ブルゴーニュやロワールに足を運び、地元のレストランで食事とワインを楽しんだ。食後の散歩でブドウ畑を抱く風景の美しさに感銘を受け、ワイナリーを訪ねては、その魅力に引き付けられていった。そして、ある時、フェレンクとキャンディスは旅の途中で立ち寄ったオルヴィエートでイタリアに定住することを決意。1987年にトスカーナのモンテプルチアーノに家を購入した。どうしても古い家を一から自分たちの手で改築したいという希望を抱いた2人は、第2の家探しに着手した。5年の歳月を経て、フェレンク夫妻は世界最高のワイン産地の1つ、モンタルチーノの海に続く斜面にバンフィが所有するイル・コロンバイオと呼ばれる2つの丘と滝のある渓谷、塔と中庭を持つ13世紀の修道院を含む農場に巡り合った。一瞬にしてその美しさの虜になったフェレンクはバンフィのCEO カヴァリエーレ・リヴェッラと面会し、購入を懇願した。リヴェッラはイル・コロンバイオを、「ただの土地ではない。あれは小さな王国だ」と表現した。なぜ、パーフェクトな土地でバンフィはワイン造りを行わなかったのだろうか・・・。リヴェッラは次のようにイル・コロンバイオへの熱い思いを語った:
そうしたかった。しかし、(区画図を見ながら)これがイル・コロンバイオだ。この区画にブドウ樹を植えることはできるが、それ以外は木々が生い茂り、触ることはできない。家の前の10エーカー以外は、非常に小さな土地だ。植樹するにしても注意が必要だし、特別な小さな機械を導入しなければならない。バンフィは大きな機械を操ることのできる巨大な畑をいくつも所有している。これまでカウボーイのごとくトラクターを乗り回してきた人間に、月に数時間でも脳外科のような緻密な仕事を強要できるだろうか。あのように、私が見た中で南トスカーナ最上の気高くユニークな土地を巨大企業に破壊されたくはない。イル・コロンバイオには、物書きや絵描きといった人物で、心から愛してくれる人間が必要なのだ。
こうして、この美しい土地を譲り受けることができたフェレンクは交配した修道院を修復し、放置された農場に一から手を入れることを決意した。もちろん、バンフィのような巨大企業には不可能な細やかなケアと心遣いすべてを畑仕事に注ぎ込んだことは言うまでもない。
まず、修道院の修繕に取り掛かっていたフェレンクは、重要な人物の訪問を受けた。それが、マテの隣に畑を購入したアンジェロ・ガヤである。偉大なワインメーカーの出現に、フェレンクは彼の知識を盗まなければならない・・・という衝動に駆られたと言う。また、隣にアンジェロ・ガヤが畑を購入したことで、ガヤのアグロノミスト(農学者)であり、プラネタの栽培コンサルタントを務めたファブリツィオ・モルタルドに出会い、マテのブドウ畑に革命的な変化が生じた。マテの農場で化石を発見し興奮した彼は、ブドウ品種と作付け区画についてフェレンクに助言を申し出た。そして、ファブリツィオの計らいにより、ロマネ・コンティの苗木家、ピエール=マリー・ギョームを招聘。谷類を見ない多種多様なテロワールに最適のクローンを選定することになった。かくして、マテは夢にまで見たワイン造りの第1歩を踏み出したのである。
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Brunello di Montalcino DOCG, Rosso/ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 赤
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Brunello di Montalcino Riserva DOCG, Rosso *参考品/ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ リゼルヴァ 赤
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Rosso di Montalcino Riserva DOC, Rosso *参考品 |
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Mantus Merlot DOC Saint'Antimo, Rosso/マントゥス メルロー(サンタンティモ) 赤
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Banditone Syrah DOC Saint'Antimo, Rosso/バンディトーネ シラー(サンタンティモ) 赤
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Mania Cabernet Sauvignon DOC Saint'Antimo, Rosso/マニア カベルネ・ソーヴィニヨン(サンタンティモ) 赤
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Brunello di Montalcino Campo Alto DOCG, Rosso *参考品/ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ カンポ・アルト 赤
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Albatro IGT Toscana, Rosso *参考品/アルバトロ(IGT トスカーナ) 赤
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Marinaia Sangiovese-Merlot IGT Toscana, Rosso/マリナイア サンジョヴェーゼ/メルロー(IGTトスカーナ) 赤
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